人名録 - 竹蔵
- 佐助
- ビリングスにとりいって雇われた荷担ぎ。
山歩きの実力はさほどでないが、ビリングスの思惑から室堂を過ぎて以降も彼一人が雇われる。
- ジェーン
- ハリスの妹。
白山の地質調査を行うハリスに同行し、西洋流のクライミングを実践する場を探す。西洋流の登山術は竹蔵らを驚かす。白山東面・地獄谷最大の岩壁、前人未登攀の善五郎壁に登攀意欲を燃やす。
- 善五郎
- 竹蔵の祖父。
健脚で有名だったが、オウギ採りで岩壁に登り墜死した。以来その岩壁は善五郎壁と呼ばれ、ジェーン達が来訪するまで竹蔵一家は地獄谷に足を踏み入れなかった。
- タエ婆
- 竹蔵の隣家の婆。
噂好きで、竹蔵の母をつかまえてよく世間話の相手をさせる。
- 竹蔵
- 白山山麓の温泉町の少年。
祖父ゆずりの健脚で、弥七らとともにハリスの白山地質調査の荷担ぎとして雇われる。その翌年にも、善五郎壁に挑むジェーンとビリングスの荷担ぎとして雇われるが、弥七とともに室堂までで解雇される。
- 竹蔵の父
- 白山山麓の木地師。
出作りの農作業はするが、父(竹蔵には祖父)の善五郎を喪って以来、危険な岩壁登攀が必要なオウギ採りはしていない。ジェーンを善五郎壁の基部に案内した竹蔵を案じている。
- 竹蔵の母
- おとなしく、無駄話をいやがる父に気遣いつつも、タエ婆の世間話の相手を断れない。
- 富沢
- ハリスらに同行した学者。
気障だがジェーンのことを想っており、彼女のための道案内になることを竹蔵に依頼する。調査行の後、危険を伴う登攀に意欲を燃やすジェーンを案じ、竹蔵に登山用語を含む語学独習のための手帳を送り、無謀な登攀を計画するジェーン達を説得するために彼自身も再訪する。
- ハリス
- 白山の地質調査に訪れた学者。
竹蔵らを荷担ぎとして雇う。ジェーンの兄で富沢の友人。翌年のジェーン達の登攀計画を無謀とみて反対する。
- ビリングス
- ジェーンとともに白山を訪れたアルピニスト。
登山家としての実力や慎重さをハリス博士に信頼されておらず、無謀視される登攀計画をたてる。荷担ぎをサーバントと呼び、雇用者としての立場を前面に押し出す態度をとるが、異文化への関心や謙虚さもある。
- 弥七
- ハリスに荷担ぎとして雇われた四人の人夫の頭格。
ジェーンとビリングスにも雇われるが、竹蔵とともに室堂までで解雇される。
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