人名録 - 天を越える旅人
- ウォンディ
- カトマンドゥ・シェルパの頭。
雪崩のために大量の遭難者をだし、中止になった遠征の装備を回収するため、雪稜でキャンプしているところでミグマと出会う。安全祈祷と占いをミグマに頼み、彼を伴って登行することになる。
- ギャンゾ
- ヤシュティ・ヒマールの遠征に参加して死んだシェルパ。
遠征中にヤシュティに取り殺され、転生も出来ずに居るところをミグマと出会い、供養と引き換えに彼の登頂に協力する。
- ソナム
- ウォンディ配下のシェルパ。
一度事故死して生き返り、死者と交信することが出来る。悪霊にとりつかれたタシの遭難場所を偽り、見殺しにする。バルドゥチュリム山の遠征で悪霊に襲われ遭難するが、ミグマに助けられる。
- タシ
- デジンの末の息子。
山岳シェルパとして遠征の仕事をしていた。バルドゥチュリム遠征で悪霊に取り憑かれて死亡し、自らも悪霊と化し死後二年経っても転生できずに幽界をさまようが、ミグマにより他の悪霊とともに転生する。
- ダライ・ラマ
- ミグマのたずねたカリンポンの寺(ゴンパ)にすむ老人が、少年のころともにチベットを脱出したと語る。
- ダンズン
- 巫僧。
ギャルツェン・ゴンパに住み、牧夫としての仕事をする。峠を越えて訪ねてきたミグマをゴンパに住まわす。ミグマの夢の話を聞き彼に夢見の方法をほどこすが、ミグマの現実認識がまだ甘いことから、旅を続けることを助言する。
- ツェリン
- → プブ・ツェリン
- デジン
- タシの母親。
死んでも転生できないタシの魂の祈祷をミグマに頼む。
- ナムギャル
- ミグマの前世。
肉体を失い悪鬼となったミグマを救い、復活の方法を教える。生前、新しい宇宙への通廊を探すため、ヤシュティ・ヒマールに登るが、力及ばずに死亡した。
- パサン
- もとシェルパの名サーダー。
20年前にナムギャルとともに、ミグマが夢で見たヤクティ・ヒマールに登った。ダージリンでミグマの訪問を受け、ナムギャルの話をする。
- プブ・ツェリン
- 死後、転生できずに悪鬼となったものの一人。
イギリス隊のサーダーとしてヒマラヤ登頂時に、同行していたイギリス人隊員が体調を崩したため、下山しようとして遭難する。ミグマにより転生することが出来た。
- ペンパ
- ウォンディ配下のシェルパ。
夢見の方法により自分が雪崩にあって死ぬところを見、装備の回収のために上方のキャンプまで登ることを拒否する。
- ミグマ
- ミグマ・サンゲ。チベットの僧院の若い修行僧。
前世の記憶を持ち、前世での死の瞬間を悪夢としてみる。
恩師のヨンドンラマの死後、自分の過去を探す旅に出る。自分の前世がナムギャルだということを突き止め、ヤシュティ・ヒマールに登攀するが、山の守護者のヤシュティに妨害される。
ヤシュティの問いかけに答えるために太陽系外の宇宙空間で相対性理論や不確定性原理について検証する。過去に前世の自分であった人格を統合し、ヤシュティ・ヒマールの登頂に成功し、肉体を放棄して他のさまざまな物理法則が支配する宇宙へと続く通廊を通り新たな世界に旅立つ。
- ミラレパ
- カリンポンの曼陀羅を描いた伝説の詩人で、ナムギャル・ミグマの転生の最初の人物。
未知なるものにあこがれ、死後も旅を続けるものたちが、一つの人格となって生まれる。
- ヤシュティ
- ヤシュティ・ヒマールの守護神で異世界への通廊を守るもの。
ミグマの成長に合わせて変貌を遂げながら、精神的な攻撃をかけて登頂を阻止しようとするが、人格を統合して情報の集合体となったミグマを回廊を通過するにたる存在と認める。
- ヨンドンラマ
- チベットの僧院の老僧。
ミグマザンゲの親代わりで、指導僧。彼が活仏でないか調査を行う。ミグマが前世にこだわるのを禁じるが、半年後、眠るように往生をとげる。
- ラクパ
- ウォンディ配下のシェルパ。
装備回収に登攀した際、夢見の方法ではウォンディとペンパが押しつぶされた雪崩の被害にあい、負傷する。ミグマの予言で夜間登行をおこなったミグマとウォンディに救出される。
- ロブサン
- 死後悪鬼になったものの一人。
ヤシュティ・ヒマールのキャンプ2の装備を回収するナムギャルに、分け前にありつこうと無理な登攀をして死亡した。ナムギャルに恨みを持ち、彼が転生したミグマによる回向を拒否する。
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