Operation ‘AQUARIUS’

機関非常点火装置使用マニュアル

マニュアル作成責任者
林[艦政本部開発部長]譲治

 本マニュアルは主機関の非常点火装置の使用手順について述べたものである。この装置は機関が被弾などの自己により停止した場合に備えるものである。
 艦の生存率を維持するためには安定したエネルギーの供給が不可欠である。その意味からも本装置を操作する者は作業手順を完璧にマスターすることが求められる。

警告
 機関非常点火装置は資格を有するか使用許可をもった者以外は作動させてはいけない。無資格の者が本装置に触れた場合、処罰の対象となる場合がある。

★基本操作

 非常点火装置の基本操作手順は以下の通りである。

  1. コンソールにある非常点火装置の制御パネルの蓋を開ける。
  2. 非常点火装置制御パネルのリセットボタンを押す。
  3. リセットボタンを押したことにより、数値表示ディスプレイの内容が零を表示している事を確認。
  4. 非常点火装置制御パネルのキーボードから自分のID番号を入力する。
  5. ID番号確認ランプが赤から緑に変った事を確認。
  6. 非常点火装置制御パネルの環境確認ボタンを押す。
  7. 点火装置・コンデンサー・機関本体を意味する三つのランプが総て赤から緑に変ったことを確認する。
  8. 数値表示ディスプレイに点火実行確認の表示が出るのを待つ。機関の再点火を中止する場合には、制御パネルのキャンセルボタンを押す。キャンセルボタンが押されない場合、30秒後に非常点火装置は自動的に作動する。

★基本操作手順に関する諸注意

 基本操作1に関しての注意

 基本操作2に関しての注意

 基本操作3に関しての注意

 基本操作4に関しての注意

警告
 本装置の取り扱い資格を有する者は自分のID番号管理には十分な責任を持つこと。自分のID番号を不用意に他人に漏らした場合、軍事機密の漏洩として処罰の対象となることがある。

警告
 本装置のID番号入力回路を無許可で改造もしくは撤去することはかたく禁じられている。このような不法な改造または撤去を行なった者、また行なった者を知りながら報告の義務を故意に怠った者は組織的な破壊工作を行なったものとして軍法会議の対象となる事を自覚せよ。このような不法な改造または撤去が原因で生じた艦の損傷については艦政本部は一切の責任をもたないものとする。

 基本操作5に関しての注意

 基本操作6に関しての注意

 基本操作7に関しての注意

警告
 環境確認ランプが赤から緑に変化しないブロックは十分に回路を検査する必要がある。各部の回路の異常を放置したまま非常点火を強行した場合、艦内の他の回路に重大な損傷を引き起こす場合がある。各ブロックの損傷を検査する具体的方法はそれぞれのマニュアルの記載に従う事。

 基本操作7に関しての注意

警告
 非常点火装置を担当する者は自らの肉体的損傷の程度に関わらず再点火に全力をつくさねばならない。いかなる理由であろうとも再点火を途中で放棄した場合にはサボタージュとみなされ軍法会議の対象となることを自覚せよ。

★最後に

 本来なら諸君らがこの非常点火装置を使用せざるを得ない状況に立ち到らないのが望ましい状況ではある。しかし、士官たるもの常に最悪の事態にも備えねばならないのは言うまでもない。
 不幸にも主機関が停止したとしても非常点火装置によって再び戦列に復帰することが出来るのである。我等が航空宇宙軍は士官諸君にどんな困難にも立向かえる不屈の闘志を期待している。
 たとえ主機関が停止しても決して絶望せずに、航空宇宙軍士官としての誇りを持って行動してもらいたい。
 そして母なる地球に唾する忘恩の徒、邪悪な外惑星連合軍の犯罪者どもに正義の大鉄槌を下そうではないか!




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