Operation ‘AQUARIUS’
兵装 搭載艇:改造後ゾディアックの主兵装
岡田[若年寄]忠宏
2100年の外惑星動乱の終結後、それまで外惑星連合を仮想敵国として装備を構築してきた内宇宙艦隊が、その主たる任務を元の内宇宙における哨戒及び救難活動に戻すのは、自然な成り行きであった。
もちろん外惑星動乱以前の状況に戻ったわけではない。航空宇宙軍占領下において徹底的な反乱勢力の根絶が図られたとはいえ、外惑星諸国にいったん点火された独立自治への渇望は根強く、粘り強い抵抗運動がこの後も展開されたことは誠実な観測者にとっては周知のことではある。従って動乱以前よりもはるかに強力で迅速な展開力と打撃力が要求されることとなった。その戦力の主柱は、当然、最新鋭艦である十二隻のゾディアック級フリゲート艦であった。
しかし、対仮想巡洋艦戦闘を第一に想定して設計されたゾディアック級フリゲート艦は、そのままでは内宇宙で小型艦を相手に哨戒任務につくには、その打撃力が余りにも強大で粗雑である。そこで動乱後の新たな状況に対応すべく改装がなされていった。
その主眼は、一つは海兵隊員の標準配備であり、もう一つは小型攻撃艇および兵員輸送艇群の搭載であった。
現在、ゾディアック級フリゲートが搭載している艦載艇はSF(スターファイター)、CH(コスモホーク)、BB(バンブルビー)の3種6機である。
SF<スターファイター>
SFは艦載機群中最大の攻撃力を有する。
主兵装に、レーザを1門持ち、対艦投射ミサイルの搭載も可能である。
SFの最大の特徴は、最大20G(ただし推進剤枯渇直前時。発進直後のそれは10G)の加速度である。この加速度と機動力の故に、敵艦のレーザー射程内での行動が可能である。もちろん最大加速度は、特殊な訓練を受けた要員と耐G装備を備えてさえごく短時間しか耐えられないので、巡航加速度は3Gと設定されている。また、高加速・高機動航行時は推進剤を速やかに消耗するため、CHとの共同作戦を取ることが多い。
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全質量 |
40t |
乾質量 |
20t |
推進剤 |
20t |
主兵装 |
エキシマレーザ(紫外線波長) |
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対艦投射ミサイル(2発) |
センサ |
光学センサ(赤外線、可視光) |
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フェイズドアレイレーダ |
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電磁波センサ(主に、レーダ波用) |
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無線機(HF,VHF) |
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レーザ通信機(CO2レーザ) |
なお、主砲も遠距離・低密度通信に使われる
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エンジン
慣性閉じ込め型レーザ核融合パルスエンジン(燃料はD・He3、推進剤は水を使用、燃料のペレットはアクエリアスにて生成する) |
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最大加速時推力 |
4.0 |
x106 |
N |
最大加速 |
10G〜20G |
最大加速時
推進剤噴射速度 |
1000 |
km/s |
最大加速時
推進剤消費量 |
5 |
kg/s |
最大加速継続時間 |
約66分 |
巡航加速時推力 |
1.2 |
x106 |
N |
巡航加速 |
3G〜6G |
巡航加速時
推進剤噴射速度 |
2000 |
km |
巡航加速時
推進剤消費量 |
0.7 |
kg/s |
巡航加速継続時間 |
約8時間 |
巡航加速時
最終速度 |
120 |
km/s |
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CH<コスモホーク>
CHの主な役割は、海兵隊員の輸送と、SF、BBを使用する際の発進、回収の支援である。またCHを攻撃機として使うことも出来る。
艦の内部に標準で10tのペイロードを持ち、艦外部に搭載することも考えると最大ペイロードは50tにまで達する。
輸送の際には、完全装備の海兵隊員を9名輸送することが可能である。
また、BB、SF等の艦載機を輸送することも考慮されている。
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全質量 |
70t |
乾質量 |
25t |
推進剤 |
45t |
ペイロード |
10t(ただし、50tまで可) |
主兵装 |
CO2気体レーザ |
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対艦投射ミサイル搭載可 |
センサ |
光学センサ(赤外線、可視光) |
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フェイズドアレイレーダ |
|
電磁波センサ(主に、レーダ波用) |
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無線機 |
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レーザ通信機(CO2レーザ) |
エンジン
慣性閉じ込め型レーザ核融合パルスエンジン(燃料はD・He3、推進剤は水を使用、燃料のペレットはアクエリアスにて生成する) |
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最大巡航加速時推力 |
1.4 |
x106 |
N |
最大巡航加速 |
2G〜5.6G |
最大巡航加速時
推進剤噴射速度 |
2000 |
km/s |
最大巡航加速時
推進剤消費量 |
0.8 |
kg/s |
最大巡航加速継続時間 |
約15時間 |
最大巡航加速時
最終速度 |
1800 |
km/s |
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BB<バンブルビー>
BBは外惑星動乱後大改装の前から存在する多目的作業艇である。艦外からのメンテナンスや応急修理(加速下でのそれのために艦首からケーブルを伸ばしてそれに掴まれるようになっている)、遠隔艦外作業、通信中継など幅広い任務に耐える。
全質量 | 20t |
推進剤 |
12t |
主兵装 |
なし |
センサ |
光学センサ(赤外線、可視光等の観測用:各1系統、艦外作業用:1系統) |
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フェイズドアレイレーダ |
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電磁波センサ(レーダ波用、及び通信傍受用の2系統) |
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磁気センサ(主に艦整備用であるが、それ以外にも使用可) |
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放射線センサ(同上) |
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無線機(ジャミングの発生も可能、中継機としての使用が主) |
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レーザ通信機(CO2レーザ) |
マニュピレータ |
2対 |
固定コネクタ |
1対(加速時の艦外作業及びCHへの固定に使用) |
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