健筆・健酒宣言

石飛[人外魔教教祖]卓美

 昨年、「アルコール性てんかん」というビョーキで一週間入院した。長時間の自動車の運転はひかえたほうがいいのだそうだ。どこかできいたような話だと思ったら…。(本人の名誉のために付記しますが、アル中ではありません。うーむ、名誉などないとも思えるが)。
 まぁ、このごろ「言葉狩り」というのが問題になっているが、小説家で編集者から文章の書き直しあるいは表現の変更を求められた人は多い。聞くところによればほとんどの作家が経験しているようだ。
 まったくそんなことはないという作家は、よっぽど文章がうまいか、とんでもなくヘタかのどちらかだろう。
 さて、ぼくも何度かそんな経験を持っている。
 次にあげる掌編は某スポーツ紙大阪版に連載してるものの、パスされた一編である。ボツではなくて、あくまでもパスである。どこがどう違うのかと言われても困るが、連作なのであるからパスなのだ。読者の目にとまらず通りすぎてしまったお話である。
 どこがいけなかったのか?
 じっくり、考えていただきたい。

 


のぞきタイムマシン

《アマテラス》

 記紀神話の最高神、天照大神のセックスをのぞこうなどとはだいそれたことだが、べつにイイではないか。決して神を冒涜することにはなるまい。何しろ神話そのものがスケベなお話なのだ。ウソだと思ったら読んでみいな。
 てなわけで、天真爛漫であけっぴろげな、おおらかな神サマのセックスをのぞく。
 アマテラスは女神である。太陽神だ。天の岩戸に隠れてしまわれたので、それを開くために神々が外でストリップなどをして興味をひいて連れ出すことに成功したという話はどこかで聴いただろ?
 アマテラスはそれはそれは素晴らしい肉体だ。完璧なプロポーションである。
 それにアノときの表情がまたイイ。ヤラせてもらった男神などは、その締まり具合にたちまちイッてしまう有り様だった。
 のぞくのはひとりの屈強な神との交合だ。何しろ男根が腕ほどもあろうかという太さで、筋骨隆々、ただし名前はわからん。
 アマテラスは両足を広げてその男神をさそった。
 パックリと割れた女陰(ほと)は、火を吹いているかのように赤く、男神はソレを見ただけで巨根をおっ立ててしまった。
 さっそく挿入する。
 カマ首の先端を火戸(ほと)の口に当てがい、グイッと腰を入れる。ソレは難無く根元まで一気に収まった。
 抜き差しするのが窮屈なぐらいの締まりかたである。
 アマテラスの女陰は幾多の男神を惑わしたぐらいであるから、ミミズ何たらいう名器どころではない。
 それでも男神はどうにかガンバッてもちこたえる。
 男根が火戸からマグマを引き出すようにユックリと出入りしている。粘膜の色は火の色だ。
 アマテラスは長い脚を男神の腰にからめた。ツンと立った乳首に男神が吸いつき、腰を回しながら耐える。
 そのまま上下が入れ替わってアマテラスが上になった。
 女神の桃のような尻が静かにくねって、男神の巨根は引っこ抜かれるように伸び縮みしている。
 「うっ」と男神がうめいた。
 アマテラスも気をやる。ようガンバッたと言わんばかりに、男神の胸毛を撫でた。




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