レーシック(生体内レーザー角膜切開手術)に挑戦

赤座[めーめ]千世

 私はメガネ┏◎-◎┓が好きなので、普段はメガネをかけている。だから、別にレーシックしなくてもいいんじゃない?と思うんだけどそれはまた別。
 今の住処から歩いて5分の所に「視力矯正術」の看板がある。視力矯正術の看板を横目にみながら、なかなか決断できないでいる期間が約3年。
 何となく有休もとってみた。時間があるし、とりあえずその手術が適応される状況なのか調べてみようと思いつき、受診のきっかけとなる。
 歩いていける所にクリニックがあるのは非常に心強いが、住んでる場所が場所だけにかなり怪しげな診療所も多いので学会登録されている病院かどうかだけは調べることにした。眼科系の学会はたくさんある。視力矯正と関わりのないもの、首を傾げるような病院をたくさん登録している学会を外していくうちに“眼科専門医屈折矯正手術の会”と 出逢った。「眼科専門医の集まり」ということと、やたら専門医をつくってないとことを評価し、ここに載っている眼科施設(クリニック)を選ぶことにした。残念ながら近所のクリニックは全国東京から福岡まで手広くやっているにも関わらず、どこの都道府県でも登録がないので却下。
 大阪市内の病院へ私の眼が手術可能かどうかちょっと聞きに出かけることにした。そう!!出かけるときにはかなり、お気軽な気持で、ちょっと手術適応か確認するだけ!やっぱり手術怖いしオルソ(就寝時に矯正コンタクトで角膜の厚さを整える方法。視力にもよるが、3日〜4週間で効果が現れる。)でもいいかなあ。もちろん予約なしの飛び込みで受診。(ほんのちょっと適応かどうか聞くだけ。)のつもりでした。
 とにかくクリニックで手術適応かどうか聞きたいと窓口でお願いする。朝10時を過ぎてたので、散瞳するにはギリギリの時間かなあとちょっと思いながら滑り込む。眼の病気があるか?今日の希望は?など書いた簡単な問診票をチェックした上、視能訓練士(多分)とカウンセリング。とりあえずオルソができるか調べてみることにした。オルソの検査は至って簡単ほとんど普通のコンタクトを処方してもらうのと一緒。視力・眼底・眼圧・涙の量・眼の表面麻酔をして角膜の厚さを測定(ここが違うくらいかなあ)・・・。一通りの検査をして、医師診察室につれてかれる。そこでは検査結果から「オルソは適応できる」。ただし、「中等度〜強度近視だから矯正視力は現在のメガネの1.0程度しかでない。」と説明を受ける。こっそりと“それはかなり十分だ〜”と思った。やはり聞いておかないといけないことは「最善」はどれかって言うこと。「オルソとレーシックどっちに使用か迷っている。私の眼にとってどちらがいいか医師のからの意見を聞きたい」といってみた。ここでもこっそりと“これで引くような医者だったらやめよ。どうせお気軽にきたんだし”とこころに誓っていた。
 医師は「オルソはやめればもとの視力に戻る。眼のトラブルがあるとトラブル解消するまで装着できないので視力が徐々に戻ってくる。(私の場合約2週間ぐらいかけて元の視力になるらしい)だから、視力が0.7時用、0.3時用と3つぐらいメガネを用意しなければならない。」
 かなり不便だし、お気に入りのメガネが装着できないのは嫌。とかなり眉間にしわを寄せたらしい。続いて医師から、「不便だと感じるならレーシック。角膜の厚さも十分すぎるぐらいあるので、中〜強度近視を考えるとレーシックの方が向いていると思います。」といわれた瞬間に「レーシックの手術スケジュールは?」って聞いてた。かなり早い決断でした。
 その後医師から「簡単な手術の説明と術後のケアについて」説明を受け、正式にレーシックに向けての検査に進むことになった。その後の検査は、感染症の有無をチェックする血液検査。レーシックの手術をした人は必ず老眼にかかるということで”老眼体験”を行い、その後散瞳し詳しいバージョンの眼底検査を実施。手術日とカウンセリング(術前の打ち合わせ)の日を予約して、レーシックについての本当ビデオをもらいその日は解散となった。
 炎天下散瞳した眼には厳しいと思い、手術を決意した奇妙な余韻を楽しみつつ、地下街をうろつき縮瞳するのを待ち帰宅の途についた。
 レーシックの手術代(ここは42万)は、保険がきかないので施設によって様々。手術に不安が若干残るものの「オルソのレンズも保険がきかない。レンズは海外注文で出来上がるまでに2〜3週間かかる(20万)のと使用耐久期限が約2年。その都度20万(定着レンズはもう少し安いらしい)の出費はつらい。」というのが本音。
 手術日は着々と迫る。効果はその日から!かなり楽しみ。

 手術の2週間前に、最終検査と希望視力の確認のためカウンセリングを受けた。
カウンセリングでは、手術方法や術前の処置と何かあった時の緊急連絡先の確認。この時は、手術時間が決まっていなかった。時間が決まっていれば、“もうすぐ!!”と緊張感もでてくるんだろうけど、まだ2週間もあるし〜と、実感もなくかなり暢気な患者となっていた。
 術前の処置、術日4課前から、抗菌剤の点眼が開始される。とっても親切で、朝からの点眼開始を守られているかと、術日時の「手術時間は2時30分から、2時には来院すること。」確認ある。

(手術前日)
 前日になってもあんまり実感がわかないので、手術のビデオでも見て気持を盛り上げることにした。まだ緊張感がない。仕方がないので、当日を時間経過でイメージしてみることにした。「・病院受付にいく・意思確認と体調の確認をされる・使い捨ての手術衣を羽織り、帽子をかぶり髪の毛がでないようにテープでべたべたにされる・手術室に行く・寝椅子(ベット)に寝てレーザー照射が始まる・レーザー照射されているとき何が見えているか確認する(特に角膜の上をカットされた後)・レーザー照射が終わり視力が回復したことを確認する。・ちょっと間休んで帰宅となる。」・・・やっぱり実感がわかない。あんまりこんなことばっかりやってても時間の無駄なので、いつもの生活に戻る。

(手術当日)
 土曜日なので、ゆっくり眼に起きる。眼が見えてあまりにも部屋が汚かったら悲しい思いをするに違いないと考え掃除をしてみた。翌日の診察後までお風呂禁、術後3日目(火曜日)から洗顔開始なので、お風呂に入り念入りにシャンプーを行う。 うっかり、必要物品の準備を忘れていた。手術の同意書にサインをし、術後のサングラスをカバンに。 
 現地には1時35分と中途半端な時間についたため、お茶をして早めに受付にチェックする。受付で名前確認し、手術の同意書を提出した後、洗顔とトイレをすませておくように言われる。手術後に使用する点眼剤の確認と、寝るときアイパッチの装着をするように説明を受ける。
 待つ…音楽もかかってないし退屈なので待ち合いにおいている雑誌を片っ端から流し読みをする。その間、手術を受けると思われる人が続々と(2人だけど)やってくる。術前20分ぐらいに緊張をとる薬を1錠のむ。雑誌を読み続けるしばらくすると集中力がなくなり、( ̄− ̄)にも締まりがなくなってくるような感じがする。抗不安薬ってこんな感じできくのかーと感心する。
 10分前 医師が手術室に入る。

(手術室へ)
 5分前 手術スタッフが「そろそろ時間です」とお迎えにきてくれる。メガネを外し、手術室までの数メートル薬も手伝ってふらふらしながら歩いていく。手術室には寝椅子(ベット)が2つ並んでおり、奥の方の寝椅子に案内される。(夫は、見学室に案内されていた。)
 寝椅子にあがり、抱き枕をだっこ。眼の位置を調整するため上に上がったり下がったりを繰り返す。(大きな位置調節は難しいと説明される。微調節は可)
 天井におさるさんが貼っているらしい点を睨む。器械が( ̄− ̄)をおおい、おさるさんが見えなくなったら、アカかミドリの点を睨むことになった。
 「懐かしい手術の準備をしている音がする。」とのらりくらりと考えながら、いきなり眼に幅15センチぐらいのセロテープみたいなものを両目一度に貼られる。見えない…。眼の周囲をハサミでカットされ再び眼を開けアカとミドリの点を睨む。
 そうこうしているうちに「始めます」と声がかかり、開眼器で眼を大きく開かされる。結構痛く目尻が“メリッ”という。麻酔の点眼を再々さされながら、目薬を滝のようにさされる(瞬きができないので眼が乾燥してくる。麻酔の影響かもしれない。)。

(手術開始)
 器械にスイッチが入り、かなりの大きな音を出してきた。
 右目から開始:眼を動かさないように“点”を見つめるように指示されている間に、眼球をガキュッと固定される。何も見えない。眼球にはかなりの圧迫感。抱き枕がかなり気持よく感じる。「フラップが綺麗にできました」と医師から、「これからレーザー照射します」と声がする。レーザー照射の間は赤い光が三角形を描きながらキュルキュルと回って見える。音はかなり大きくギャシュギャシュと鳴っている。「眼を動かさないで」といわれるが、レーザーは三角形描きながらキュルキュル回ってる、反対の眼は布で覆われかなり暗いので視線の固定が難しい。そんなことを考えながら、「あと5秒です」と声をかけられる。フラップを戻し、目薬を大量にまぶされて開眼器を外され手術完了。
 ほっとする間もなく左目開始:左目も右目と同様だがフラップを外し近眼をなくすためのレーザー照射の前に乱視をとる照射がはいり、あとは同様の流れで進み無事終了。

(手術完了)
 レーザーの器械が( ̄− ̄)の外に外され、天井のおさるさんがはっきり見える。もちろん角膜を乗っけたばっかりなのでハレーションを起こしているけど…。かなり見えます!!と医師に告げ手術室をあとにし、リカバリー室に入る。
 リカバリー室で30分目をつむり過ごしたあと、フラップの状況を確認し帰途につく。
 ちょっとだるいかもしれないけど、よく見えるので気分は上々、「例会に行く」と夫に言ってみると強く反対され、今日が今日だしとおとなしく家に帰ることにする。

(当日家にて)
 薬がよく効いたのか、2時間ほど昼寝をする。しばらくし6時頃に夕食の買い物をするため自宅を出る。サングラスをしているものの、メガネの見え方と違う!!と感激。手元付近が見え過ぎでしんどいため、本を読むことができない。仕方ないので、TVで映画を見て過ごす。

(手術翌日)
 アイパッチをつけたまま目覚める。コロコロ乾燥感がある。頭ももやーっとしてるけど、眼もモヤーとしている。いつもの癖で頭元のメガネを探すが、ない。あまりにも手が鮮明に見えるので、手術をしたことに気づく。
 ( ̄− ̄)が洗えないので、アイパッチをとったあと目薬をさし、ウエットティッシュで洗顔をする。
 コロコロ感があるものの、痛みもなく順調。しかしながら、状況になれないためか肩こりがひどくなる。
 指定時間に受信し、フラップも上手にのっかっており、視力も1.0と順調。

(手術後一週間まで)
 コロコロ感が残る(ちょうどコンタクトが乾いた時の感じ)。顔を洗う時や寝る時にコンタクトを外したい衝動にかられる。
 翌々日から仕事にいくが、姿勢など生活習慣が、“近眼”ベースで過ごしていたようでなかなかなれない。いちばんしんどかったのは、小さい文字を見ること(電車通勤で本が読めない!!)。今までの画面がつらかったので、文字のポイントを上げ、鮮度を低くして乗り切る。
 術後1週間目に受診右1.5、左1.2まで回復。今後コロコロ感やハレーションは徐々になくなるだろうと説明を受ける。

 (感想)
術後1週間の検診後、東京出張6日間に行ったのがよかったのかもしれない。全然環境が変わり、生活パターンも“近眼”から“1.5”のパターンへと修正できるようになった。
 顔を洗うとき、寝る前にはコンタクトやメガネを外したい衝動にかられるが、かなりいい手術だと感じる。難点といえば、今まで“近眼”の世界で生きていたのでメガネやコンタクトを外したら“休息”ができていたが、今はできないので寂しいって言うことかなあ。
(おわり)。




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