How To Hate Linux

落合[いまいちキャラクターの薄かった、MSG]哲也

ターゲット 現在、コンピュータを使おうと思えば、ほぼ全てのOSがWindows XPであり、それ以外には、一部騙されたり店にそれしか置いていなかったりしたせいでWindows VISTAもそこそこ使われている事でしょう。
 私はと言えば、いまだにWindows 2000を使っているのです。XPにする理由が無く、またWindows 2000で不便を感じてもいないからであって、何か強烈な意思や強迫観念からWindows 2000に固執しているわけではありません。それにご近所の一般家庭では「買った時のまま」のWindows 98やWindows MEが現役で活躍中です。

 さて。そんな世間一般の状況とは別に、コンピュータを買った時に入っているOSをわざわざ消し去り、別のOSを入れたりする人がいます。Windowsを新しいものにアップデートするのではなく、フリーなものとして配布されているPC Unix等をインストールして使うわけです。超漢字をインストールする人もいるでしょう。
 なぜそんなことをするかの理由は様々あるでしょうが、本質的には「そうした方がその人にとっては便利になるから」のはずです。何らかのメリットまたは理由が無い限り、Windowsの削除という行為は、サポートや周辺機器の対応といったメーカー側の想定状態から外れて「保証対象外」にしてしまうものなのですから。
 もちろん、最初からOSが一切搭載されていないものやLinuxが初期状態でインストールされているコンピュータも売られていますが、一般向けではありません。普通に店頭に並んでいるコンピュータの中からWindowsの入ってないものを探すことはほぼ不可能なほどです。

 あ、Macのことは本稿においては無視します。というか無視してください。心の底から他意はありません。ここで対象にしているのは少数派のMac使用者から見ても観測不能なほどのユーザなのです。
 ここ10年ほどの書店で見かけるコンピュータ雑誌の数からすれば、Mac利用者よりLinux利用者の方が多いんじゃないかと思うかもしれませんが、実のところは違うようで、最近のwebアクセスの統計からのユーザ数調査によれば、Macユーザは少数派のWindows2000ユーザの倍ほどの6.5%程度となっているようです。で、それ以外つまりWindows+Mac以外の接続ユーザ数が2.4%だそうで、執筆時に調べたこの数字は実は意外に大きな数字で少し驚いてます。
 PC Unixユーザなんて世界ビックリ人間大集合に出れる程のレア種であるとか、本当はいないのですとか、かなり酷いことを書こうとしていたんですけどね。

 というわけでそろそろ本題に入ることにしましょう。あんまり使われていないにも関わらず各所から持ち上げられ、まるでそれが主流であるかのような扱いを受けているLinuxと呼ばれるOSがあります。細かいことを言えばLinuxとはOSの核に使えるシステムの根幹部分であり、いわゆるOS(オペレーティングシステム)としての体裁を整えるためには核部分以外の全てをどこかから持ってきてまとめあげる必要があります。それを行っているのがディストリビュータと呼ばれる会社やグループで、Linuxの場合にはこのような関係が話をややこしくしたり、はたまた時には単純にしたりもします。それは一旦置いといて。

 Linuxカーネルを使ったOSは一般的には「Linux」と総称されていますので本稿でも特に細かい話をするとき以外は「LinuxとはLinuxカーネルを使って構築したUnixっぽいOS全てのこと」として扱います。
 本題の前置きが長くなってしまいましたが長くなってしまうところにも問題が潜んでいるのです。読んでて「なんだ、それは?ややこしいな」と思いますよね。実際ややこしいのです。しかも使ってる人達もややこしい。一般に趣味的な分野でのマイノリティは声が大きいというか攻撃的というか一体なぜおまえは戦っているのかそんなにしてまで的な態度の人が多いような気がします。(実際は一部の人が精力的にそういう活動をしているだけでしょうけど)
 ただ、配布元がそういう態度であればややこしい問題になってしまいます。もっとややこしい事にLinuxカーネルの配布元ではなく、カーネル以外の主要なソフトウェア群を作成しているFSF(フリーソフトウェアファウンデーション)がそんな感じなのです。ややこしいですね。
 ややこしいせいで本題に入るのが遅れてしまいましたが、そんなLinuxの悪口を書いてすっきりしようという、ややこしい企画がこのページの主旨です。Linux大好きな人は読まないほうがいいかもしれません。
 じゃぁ、いきますよー。

 Linuxをインストールし、rpmやapt-getでアプリケーションをインストールして使うだけなら、なんの苦労も無いでしょう。Windowsと同じで、入らないアプリケーションは諦める・サポートしていない周辺機器は諦める、という姿勢でいればなんとも幸せなLinuxライフを満喫できるでしょう。ただ、それだとWindowsよりも不便なだけで一体何をしたいのかわかりません。実験的なインストールと、その成功に満足するという気持ちは十分にわかるのですが、UnixっぽいOSに備わった機能が必要でない限りは不便でノロいWindowsもどきにしかなりません。クラッシュする事も多く、アプリケーションは玉石混淆で相当に情報を漁らないとなりません。
 こういったことは、そのへんで売られているアホなLinux雑誌には一切書いてません。書いていてもそれがユーザとして当然みたいに書いてあります。そんな煽りに騙されて「俺、ハッカーになるぜ」とか思ってLinuxにしてしまい、ひとまわりもふたまわりも使いにくくなった自分のコンピュータを前に泣き崩れる初心者はたくさんいた・今もいることでしょう。特に最近のLinuxのデスクトップ画面は派手で見た目だけはすごそうですからね。
嫌な経験 で。仕事上ひょんなことから、ちょびっとLinuxを触らなければならなくなってしまい、それがどこぞのディストリをサクっと入れて、その中で何か作るんならともかく、RTパッチを当てて応答性を確保し、OpenGLのベンチ用サンプルプログラムを付録で付ける。なんてものだと、予想外に嫌な経験をすることになります。
 まず最初にすることはクライアントのリクエストであるVineというディストリビューションの調査ですが、これはサクサク進みます。構築が古く機能の取捨が安全側に立っているLinuxなので安定感があり動作も軽快。Linux入門・(劣化Windowsとして)常用するには良いディストリビューションですね。この時同時にubuntu、fedoraも評価してみましたが、最新のものを何でも突っ込んで派手に作りゃいいってもんじゃねぇぞというレベルでした。まぁ、入れてみて満足するだけなら一番良いのかもしれませんが。
 そこからなるべく完成されたRTパッチを使って…と作業を進めていくと、Linuxカーネルの暗部が見えてきます。
 私の理解したところによれば、LinuxカーネルとはLinusを筆頭に世界中のnerd(ヲタク)どもがいじくりまわすための玩具であって、とてもじゃないが人様のために、また、よりよく使ってもらうために作られたものではないということです。彼らカーネルヲタク野郎達は利用者の事など一切全く毛ほども気にしていません。自分たちの目標や興味を満たす行為しかしないのです。

 えー、お客様の中に最新カーネルを追いかけている方はいらっしゃいますでしょうか?2.6.24あたりから、ドライバ類がごっそり抜けてしまい、運用中のLinuxシステム上でコンパイル・再構築なんてしてしまい、動作しなくなって泣いたりしてしませんか?おそらくはカーネルの動作を長時間ロックしてしまうようなドライバ類の削除が行われたのでしょうが、RELEASEという名前を付けちゃいかんでしょ?開発・保守のブランチ構成おかしいですよ。initrdなんて組み込み以外要らんだろ?bootパーティションもだ。地雷増やしてどうすんの?ローダーは相変わらずおかしいし、grubでもフォロー出来ないトラップ的ブート仕様を直さないと安心して最新版を追いかけることなんて出来ないDEATHよ。
 そんな救いようの無いnerdの玩具を、なんとかして使えるものにしてくれているのがディストリビュータだったんですね。ただそこにあるだけでは使えない単なるコードの塊は、どんなに優れたものでも、吟味して精製し、使えるように再構成しないことにはちゃんとしたOSにはなりません。ディストリビュータってのは偉大なものです。Linuxを作っているのはディストリビュータと言って過言ではないでしょう。
 このような歪な構造はLinuxにおいては上手く動作していて、好き勝手に、誰に言われずともマンパワーが注ぎ込まれる遊び場から生まれたものを、スーツを着た連中が形にする。ちょっとTVアニメの攻殻機動隊で見たような感じのシステムが出来上がっています。
 このTシャツしか着ない連中とスーツ組の分離システムでは、Tシャツ組はやりたい放題言いたい放題で、お金が動いてるスーツ組の世界ではビジネスライクな事業展開が行われています。何も考えずにLinux界隈を見ると、混沌でごちゃごちゃした世界のように見えますが、きちんと見ればこうなっているんです。debianというTシャツ組のディストリビュータもあるんですが、debianが軌道に乗ればそれを取り囲むように、debianをベースにしたubuntuというディストリビューションセットが、人的資源すら吸収して、一気にdebianを霞ませるほど勢いよく伸びた現象を見れば、スーツ組のハイエナっぷりがよーくわかるでしょう。これ、よく考えると世界がヲタクからの搾取方法を見出し、実践している状態なんですよ。誰かちゃんと指摘した人いるんでしょうか?伽藍とバザールとか言ってる場合じゃねぇぞ。おい。
 えーとなんだっけ。あ。カーネル入れ替えようとすると苦労する話ですね。で、なんだこれはって事で「Linuxカーネル詳細」なんていう分厚い本を買ってきて中身を調べようとするんですが、序文をざっと読んだだけで頭痛がしてきます。難しいから?いえいえ。翻訳がひどい?それほど変ではありません。じゃぁなんで?くっせぇ匂いがプンプンするプロパガンダ文が延々と続くからです。技術書なら黙って解説だけしとけと思うんですが、思いつきでガンガン追加している機能については他のPC Unixと比較して、他のPC Unixからパクった機能では商用OSと比べるといった、自分(Linux)には都合の悪いことを巧妙にスルーしつつ言いたい放題の俺達礼賛。「フリーは素晴らしい。俺達はフリーで高性能だ。フリーで独創的だ」と。嘘つけこの野郎。この序文読んだら、それ以降の内容の信頼性が無くなっちゃうだろうに。

アタック! っていうか、お前らカーネル弄りすぎてて、書籍の情報が野菜より鮮度悪いんだよ。基本設計時にちゃんと頭使えよ。関数の引数の順序を途中で入れ替えるような事するなってんだ。GTKの話だけど。

 ああ、なんか感情的な文章になってしまった。すみません。でもわかってもらえますよね。ざけんじゃねぇぞ。って思いますよね。Linuxはバッチイですよね。

 よい子のみなさんは近寄らないようにしましょうね。
 Linuxなんて無くな〜〜れ♪
 まぁ、ATi SB600のドライバは参考にさせてもらうけどな。ぺっ。


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