とーとつですが

清水[オフィサーズクラブ・オーナー]宏祐

最近、物覚えが悪くなって、何かしら思い付いた時に記録しておかないと、もう一生思い出す事も無いのではないかと言う、じわじわとした、不安にかられることがある。さて、そこで思いついた事を、つらつらと書いてみようと思う。
 もとより人に見せるための物ではないのだから、読んで見て「おもしろくない」などと言われてもしようがない。ただ、こう言う物に残しておくだけで、少なくともあと数年間は、この世に残るのだから、それでも多いに結構な事ではないだろうか。
 と云う訳で、まずは『タイムトラベラー』であります。
 「何をいまさら」と言われるかも知れないが、確かにGoogleを探って見ただけで、嫌になるほどのページが見つかるのは、至極当然の事であろうと思う。あえて言ってしまおう。《あの》芳山和子こと《島田淳子》(後に芸名を浅野真弓に変更。筆者は、数回浅野真弓をTVで見かけた事があるが、何時の間にか消えてしまった。これが世が世であればダブル浅野ならぬトリプル浅野(浅野真弓、浅野ゆう子、浅野温子)になっていた事は、時代背景を考えれば当然のことである)は、筆者の初恋の人にそっくりだったのだよ。
 かくして1972年1月1日この後10年に渡るNHK少年ドラマシリーズ第1作『タイムトラベラー』がスタートしたのである。原作は勿論、筒井康隆氏の『時をかける少女』、この3年と半年後、筆者が筒井氏と縁の深い第14回日本SF大会の実行委員長に納まっているなど、本人はもとより、まわりの誰にしても想像すらしていなかった事ではある。
 この『タイムトラベラー』、確か、NHK初のビデオドラマではなかったかと記憶している。1インチ幅のオープンリールのデッキが使用されていたように記憶している。
 ところがである。この貴重な資料をNHKは何のためらいも無く、テープに上書きして消してしまいやがったのである。
 世間には『てなもんや三度笠』のテープは、残っているのに(但し、ビデオテープではなく、遅れネット局の為にライブカメラの横に16ミリ撮影機を据えて撮ったもの)もう一度言う、貴重なビデオ映像を何のためらいも無く、消しちまったんである、こいつらは…。
 「NHKのバカヤロー」
 閑話休題。確かこの時期に『赤外音楽』(原作:佐野洋)というTVドラマを見た記憶があるのだが、まあ、佐野氏は所謂SF作家ではないためかどうか、要するに『超音波』の事を『赤外音楽』と呼んでいたらしいのだが、そこらの携帯ラジオから、超音波が聞こえるわけが無い。かなり出来のいい物でも、周波数特性から言えば、8000Hzがせいぜい。ましてや一般の携帯ラジオであれば、下手すりゃ周波数特性の上限なんか2000Hzなんてのが普通であるのだから、当然の疑問と言うか、ストーリーの根幹に矛盾を抱えてしまった時点で、いかにその後のストーリーが良かったって、私から見れば、失敗作であります。ただ、『赤外音楽』を操っていたのが『天本英世』であったことは、さすがに覚えてますね。
 で、お次は少年ドラマシリーズを離れて、マンガであります。
 あさりよしとお氏といえば、『荒野の蒸気娘』や『るくるく』でお馴染みのマンガ家でいらっしゃいますが、最近のお気に入りは、『HAL』であります。これは『まんがサイエンス』の裏返しのような作品で、フルネームを『Hypar Academic Laboratory』と云いまして、『生命の誕生』や『アミノ酸』から『潜水艦』や『ドップラー効果』、はては『シュレディンガーの猫』にいたるまで、科学解説をした本のように見えますが、キャッチフレーズが「このマンガには一部に真実が含まれている場合があります」と言う事で、要するに、殆どが「嘘」であります。
 結果、少なくとも多少の科学知識が(と言ってもSFファンなら当然わかっている程度の)無いと訳わからんかったりするんじゃないかなと思っております。ワニブックスから単行本が出ていますので、興味のある方は探して見てください(皆、既に持ってたりして…)
 私は、楽しく読ませて頂きました。
 で、もっと色々書くことを思いついていたのに、3〜4日書くのをサボってたら、殆ど忘れてしまっていた。本当なら、ネタを考え付いた時点で、『ネタ帳』にメモしておくべきなんだけど、いつもネタは、布団の中で考えてるので、つい、そのまま寝てしまって。
 又、色々思いついた時点で、書かせて頂きますね。
 ところで、『逢魔が時物語』というメールマガジンに投稿した私のネタが出版物のネタの一つとして、内定致しました。基本的に、実体験を集めた物ですので、ここでネタばらしは出来ませんが、また、本の形になるようでしたら、報告しますね(^。^)
 とりあえず、今回、ここまで。
 それにしても、

「NHKの

バカヤロー」

『とーとつですがアルジャーノンに花束をあげてやってください』。

NHKのバカヤロー




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