串本
(2009.09/11-12)

ダイビング分科会:ほらふきクラブ

始めに

前回の串本ダイビングは台風の影響もあり、夏としては不完全燃焼してしまったような気がする。そこで、夫婦して平日に休みを取って、再度串本へ向かった。ただし完全に平日とはいかず、金曜と土曜の日程だ。
 木曜日に仕事が終わってから串本へ向けて出発。今回の宿は浦島ハーバーイン。深夜の到着だったため、チェックインは住所名前を書いて鍵をもらうのみ。温泉は24時で終了していたので、部屋でシャワーを浴びて就寝。

2009. 9/11

アンドの鼻、イスズミ礁、島廻り

 翌朝、いつもの赤鯱ダイビングサービスへ8時に到着。
 この日の客は私たち夫婦とご年配の女性2人組、そして後からもう一人合流するとのこと。人数が少ないのでのんびり準備、そして港へ出発。
「ポイントは?」
「とりあえずアンドへ」
 時期限定ポイントのアンドの鼻。以前は冬限定だったのだが、最近はエビ漁の関係か不定期にオープンして、あっという間にクローズすることが多い。
ブリーフィングのとき、
「ここんとこにフリソデエビがいるらしいんですよね〜、でもアンカーからここまで30m行って、んでここからさらに16mくらい北のひっくり返ったサンゴの下らしいんですけどね〜」
って、をい、「らしい」ってのはちょっと。それにそんな方向、普段誰も行かないだろうが。
「そんなに移動するのやだ」
「あ、やっぱり?」
 不確実な上に遠いフリソデエビはなしにして、珍しい(らしい)黒にオレンジの点々のクマドリイザリウオを探すのと名物アザハタの根を巡ることになる。
 エントリーすると15mくらいのまずまずの透明度。大きなコロダイを前にガイドはスレートにこう書いた。
「オークワで¥3600」
 そうですか、高級魚ですね。「おいしそう」とハンドサインで返す。アザハタの根はいつものイシモチ大群とアザハタが数匹で特段に変わりなし。少し離れたところで目標のクマドリくんと対面。よく移動するらしいので、前日の位置情報が役にたたないらしい。以後ゴンズイ玉でどじょうすくいをしたり遊泳禁止ライン付近で遊び、アンカー下近くに戻る。ふとのぞいた岩の下に大きなタコを発見、思わずつついてみたりする。と、気づいたらデコ寸前。タコの呪いか。
「デコ大丈夫ですか〜」のスレートにOKサイン。ぎりぎりであった。

オークワで¥3600 クリーニング

 2本目はもう一人お客さんが合流してイスズミ礁へ。
 なぜか砂地で群れるイサキやこの季節名物のチョウチョウウオ玉、モンガラカワハギの幼魚をながめつつエグジット。ここの透明度も20mとかなりよし。休みを取ってきた甲斐があった。

群れるチョウチョウウオ モンガラカワハギの幼魚

 3本目、なぜかそわそわする赤鯱の店長。そして、ここでガイドが店長に交代。
「島廻り行きましょ、島廻り。私が行きます!」
「いいね、外洋。最近行ってないわ」
「今ね、イルカいるんすよ。2頭」
「え、先週いたやつ?」
そう、前週島廻りでイルカ2頭と遭遇した話は聞いていた。しかし居ついているとは思わなかった。
「えー、いるの?ずっと?」
「えっと、ダイバーには近寄らないんですけど、船にはよく寄ってくるそうなんですよ。」
 というわけで島廻りをめざすことに。島廻りは結構遠いので、とりあえず到着まで居眠りを決め込む。他のダイバーも同様。準備をすませてからうとうとすること約30分。舳先の方が騒がしい。
「でたぁ〜!」
店長が叫ぶ。みなあわてて船の前方に駆け込んでみると、舳先の真下で2頭のイルカがまるで遊ぶように競うように泳いでいる。乗っているみなが歓声を上げる。カメラを構えたりビデオを回したり。みなおおはしゃぎ。そして一番騒いでいるのは店長であった。
 ポイントに到着してアンカーを降ろし、気もそぞろの彼女は、
「アンカーの様子見てきまぁーす」と言い残しさっさとエントリーしてしまうと、ちいともあがってこない。ようやくアンカーが大丈夫なのが確認され、私たちも急いでエントリー。ゆっくりアンカーロープを伝って潜行していくと軽い流れはあるものの、透明度もよく素晴らしいコンディション。
 根の縁から南を見ると2頭のイルカが現れダイバーに一瞥をくれて去っていった。その間およそ90秒。その後、しばらくはイルカが戻ってこないかみんなで消えた方向を見ていたが、それ以降、姿は現さなかった。
 島廻りの大きな根の廻りにはあたりが真っ黒に見えるくらいのメジナの大群やバチバチと音を立てる雲のようなキビナゴの群れ。空中を舞うようなシラコダイ、根の下の洞窟に姿を隠すルリハタなど美しい海を存分に満喫してエグジット。
 途中で出会ったオレンジハウスのチームのガイドがスレートに「イルカ?」と書くと、「船外機!」と返す。横で見ていて意味がわからんと思ったら、イルカはなぜか船外機の付いた船が居るとよく現れるのだそうだ。
 そして、帰りもでるかなと期待していたらやっぱり2頭ともついてきた。船頭さんも大サービスでイルカがついてくるようにポイントの周りをゆっくりと船を旋回させてくれた。
 帰ってきてからビデオと写真を確認すると、水中でいきなり現れ、しっかりカメラ目線の後去っていくイルカが写っている。どうも雄雌のペアらしい。

カメラ目線のくイルカ

2009. 9/12

アンドの鼻、グラスワールド、ビーチ

 翌日の土曜日は名古屋からのメンバーも合流。
 サービスは前日とうって変わって賑やかになり、当然のように名古屋メンバーと私たちは一緒のチームにされる。さらにいつものCAANのガイドが現れ、
「なーんか、いつもと変わらない」
「いえいえ違いますよ。私は赤鯱ダイビングサービスの新人ガイドです〜」
とぬけぬけとボケをかます。

 この日の天候はなんだか曇り気味。まだ風は出ていないけど後になるほどやばくなりそうな雲行きである。
 さっさとアンドの鼻とおなじみのグラスワールドへ潜る。
 アンドでは前日私たちをデコに陥れようとしたタコがアザハタの根に潜り込んでいるのを発見。なぜか泡をしきりに食べるニザダイを観察。なんとも不思議な光景である。
 グラスワールドでは今年発見されたニューフェイスの黄色いジョーフィッシュやカメ、砂地のハゼなどをカメラに納める。

 エグジットすると更に雲行きがあやしくなっている。風が強く吹き、ボートも大きく揺れ始めた。
 船頭さんは
「午後、3時からはあかんやろ」
というが、昨日デコ寸前まで行ったあとでは3本目も続けて潜るわけにもいかない。

アザハタの根 良く動くイザリウオ

 
 前日からの窒素のたまり具合も気になるし、荒れ荒れのボートでわざわざ潜らなくてもいいだろうということで、この日の3本目は珍しくサービス前のビーチへ潜ることになった。
 ビーチは、、、恐ろしいほどの波の引きで、すぃいいいと沖まで出て行ってしまった。その間にヘコアユの幼魚を数匹見かける。が、あまりにも強いサージのために写真をゆっくり撮ることもままならずアオヤガラの群れやコロダイの幼魚を見かけてもほとんどスルー状態。当然透明度も落ちておりおそらくは3〜5m。ガイドもスレートで離れないように注意を促す始末。抱卵中のカミソリウオがいたらしいのだが、このうねりでどこへ飛んでいってしまったのか、、、。
 あまりのコンディションの悪さに這々の体でエグジット。砂浜を這うようにしてビーチを後にしたのだった

ヘコアユの幼魚 黒ナマコ

おまけ

浦島ハーバーインの部屋には冷蔵庫がない。しかたがないので、小型のくーらバッグにビールと氷を用意しておくことになる。あとフロントと部屋の間の距離が滅茶苦茶遠い、欠点はそれくらいかな。



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