始めに
今までに、串本で何本目潜っただろう。年に20本は潜っているはずだからトータルで200本ほどだろうか。何本潜ろうが楽しいことに変わりないが、回数を重ねるとさすがに新鮮な驚きはあまりなくなってくる。もっとも日々串本に潜っている人からは「そんな程度でいったい何が分かる」と言われてしまうかもしれないけど。
とにかく今年の夏も串本へ、赤鯱へ。
2008. 8/ 9
グラスワールド、イスズミ礁、備前
まずは定番ポイントのグラスワールド。
ポイントに到着し、船から海を覗くと水底がはっきり見えている。思わず「ここは、もしかして沖縄のどこかですか?」と聞いてしまうような抜群の透明度。エントリー
すると、船の周囲から水底まで一面が見渡せる。晴天の空、透明度抜群で暖かく穏やかな海、溢れるような魚の群れ、少なくとも過去に潜ったグラスワールドに比べてピカイチだったのは間違いない。
そんな抜群の海に少しあわてていたのかもしれない。深度を確認しようとしてダイコンを忘れたことに気がつく。別にダイコンがなくても潜るだけなら支障はないが、今後の減圧の管理が心配かも。
チョウチョウウオが群れ、いつもの黄色いジョーフィッシュにネジリンボウを見て、フリソデエビにピグミーシードラゴンなどを順にたどる。
夏のイスズミ礁は群れるチョウチョウウオ。ここ数年は時期が合わないのかあまり大きな群れを見ることが無かったが、今年は比較的大量のチョウチョウウオが群れている。そしてニザダイやニセカンランハギも大量に。
それとハナヒゲウツボの幼魚が今一番の話題だ。
備前は深い、そして3本目となるとあまり深くは潜れない、さらには1本目にダイコンを忘れたのでダイコンの表示は参考にしかならない。しかたがないので中層を移動しながらアザハタの根へ
移動、半端じゃない数のクロホシイシモチやキンメモドキの群れにむかって直接潜行する。
帰りももちろん中層を移動。結局、アザハタの根以外はずっと中層にいることになった。
グラスワールド、イスズミ礁そして備前もキビナゴの群が流れるようで何か大物がいそうな気配はするものの目にすることはなかった。
2008. 8/10
吉右衛門、グラスワールド
ポイントに到着するとシーマンズの船が停泊している。そしてダイビングパークの船がやってくるのが見える。
このポイントは内湾と違って梵天(ブイ)がないのでアンカリングの必要がある。若干アンカリングに手間取っているのを、機材を背負って「3艘もいると混んでるかなぁ」
などと思いながら待っていると、その間にダイビングパークの船はいなくなっていた。
海の中ではひたすら根の周囲をまわる。ガイドが根の上や、どこかで、なにかを説明しているときも、「わざわざ見る必要のあるものはない」と勝手に決めつけて、根の横で浮かんでいる。こうなるとどこで潜っても同じような気もしなくもないが、実際には
やはりなにか違う。
グラスワールドの浅場コースは、シコロサンゴの群生のある比較的浅い場所を探索するので長時間潜った後には適したコースかもしれない。
ただしこのコース、途中でカメのねぐらが有る以外には取り立ててなにも無い(丹念に探せばいろいろ見つかるにしても)のが少々問題かも。特に潜行するグループがカメを逃がしてしまったりすると、特に残念さが増す。
数年前にはカスミチョウチョウウオがいたこともあるけど、さすがに定着することはないだろうし。
2008. 8/11
備前、グラスワールド
キビナゴの群れを見るたびの「カンパチくらいいても良いのに」って思いががかなって、エントリーするといきなり目の前にカンパチ(比較的小型)の群れがキビナゴを狙って
アンカーロープを中心に旋回している。思わず潜行するのも忘れてカンパチを追いながロープの周りを同じようにクルクル回る。
砂地でヤシャハゼ、ホタテツノハゼ、ニシキオオメワラスボを見て、アザハタの根を経由して戻ってきてもまだカンパチはいる、少し大きめのカンパチも合流したようだ。そしてカンパチに混じってウメイロモドキやムレハタタテなどもいる。
3年前の夏もカンパチが周回していたが、あの年は水温も低かったし透明度もそれほどよくなかった。
2本目はグラスワールド外周一周コース。
ブイから南へ向かい根の周りを回り込みながら東へ向かうと目前に浅場コース、カメのねぐらが見えてくる。シコロサンゴの群生地を横断してから北へ向かい、フリソデエビやピグミーシードラゴンを見ているダイバーの上を通り過ぎて、北西に向きを変え北の根の目前まで行ってからブイ戻るまでの所要時間はおよそ50分。
ただし深度は浅いのでけっこう泳いだ気になってもエアを半分近く残して終了。
ボートが13時で終わってしまったので、ビーチはパスして串本海中公園へ行く。
2008. 8/12
住崎、イスズミ礁
同行してきた全員が先に帰ってしまい、男性3人のグループに混ぜてもらって潜ることになった。知り合いが誰もいない状況で潜るのはこれが初めて。
まずは住崎、今回のツアーで行き損ねていたポイントである。
潜降し始めてすぐに、カンパチが5匹ほどひゅーんと目の前を横切っていった。昨日のように回遊してくれるかとしばらく待っていたが、その後は戻ってこなかった。
一緒のグループの3人は、事前にガイドから「皆さん自由ですよ」と聞いていた通り、自分たちの興味の赴くままに被写体を求めてあちらこちらへ散っていく。ガイドがタンクをたたくまで、いや、タンクをたたいても粘っていたりしたのを眺めながらの楽しいダイビングになった。
イスズミ礁の今一番の話題はハナヒゲウツボの幼魚である。この日のガイドはハナヒゲウツボの幼魚が発見されてからイスズミ礁に潜るのは初めてらしい。いまいち場所がよくわかっていないので、ブリーフィング時に「よくわからなかったら教えてくださいね」と言われるが、結局は無事に目的の場所にたどり着くことができた。
私たちが到着するのと同じタイミングで別サービスのグループがやってくる。そのうちの一人がハナヒゲウツボの真正面5cmくらいまでカメラを近づけたため、ハナヒゲウツボが引っ込んでしまった。直後にまた出てきてくれた
からいいようなものの。さらにもう一人は移動するさいに、あろうことかハナヒゲウツボの真上すれすれを通っていこうとして、私たちのグループのアシスタントに足を持ち上げられていた。
きっと自分が何をしたか分かってないし、ガイドもなんとも思ってないんだろうなぁ。昨日も別のグループのガイドが「ヤシャハゼの巣の上に乗っかって、ダテハゼを見せているヤツがいた」と憤っていたし。
人の振り見て我が振り直せ、自分も他人に迷惑をかけないように気を付けよう。
エグジットしてみるとコーラルクイーンの船の後ろにSEBの船と福宝丸(乗ってきた船)がいる。たしかブイには2艘までしか繋げないんじゃなかったっけ。
今回の串本は、いままで潜った中でもトップクラス、特に初日のグラスワールドと、三日目の備前は最高。
おまけ
居酒屋がんちゃんは、盛りがいいし味も良い、親父の愛想も良い。でも、メニューが意味無いなら壁に貼ってあるメニューは剥がした方が良いのじゃないかなぁ。