柏島
(2006.08/26-27)

ダイビング分科会:ほらふきクラブ

 明石海峡大橋や四国の高速道路の整備が進んでからは、柏島への道のりは格段に近くなった。って毎回似たようなこと書いてるじゃん。しかし柏島初参加のお客さんがいるとついそんな会話が出てくる行きの車中である。今回初参加だったのはニーボー君も、この話を年寄り連中(まあ私たちのことだけど)からとくとくと聞かされていた。
 実際20時すぎに出発したのに、現地に着いたのは2時前と、以前では考えられない時間だった。
 見上げると夜の空は月もなくて、降るような星空だった。天の川がきれいみえる夜空なんて久しぶりだった。

2006. 8/26

ユウゼン1本目は後浜2番ブイ

 今、柏島には非常に珍しい魚がいる。八丈島や小笠原にしかいない固有種でチョウチョウウオの一種ユウゼンである。以前来たときに「ユウゼンがいた」という話を聞いたのだが、そのときは見つけられず心残りだったのだ。
 今回そのユウゼンが2匹も柏島にいると聞いて参加者は心躍らせた。しかしニーボーだけはあまり燃えていない様子。よくよく聞くと、以前小笠原で潜って普通に玉になったのを見てきたとのこと。確かに私たちが沖縄でカゴカキダイみても同じような反応になるだろうからなぁ。
 というわけで2番ブイ。エントリーしてから同行のNが調子がよくない模様。しばらく水中で待っている間に、ガイドのやっちゃんが迎えに行ってようやく水底へ。が、しかーしいきなり砂地で転がり始める。
 「なにを迷惑なことをしてるんじゃい」と思っていたが、何が起きたかわからなかったのでこちらは見ているだけ。謎はエギジットしてから解けるのだが。
 そうこうしているうちにガーデンイールを軒並みなぎ払うように引っ込めていく奴もいたりして、見たものはネジリンボウやヤシャハゼなどハゼ三昧だったかも。
 しかし浅場へ戻ってくると待望のユウゼンが!
 思わず後にいたバディを呼びにいく。ユウゼンもみて満足の1本目、かと思ったら延々ユウゼンがついてくる。別の魚を見ていても、足にまとわりついてくる、視野の隅をかすめる、などなど。とても希少価値のある魚とは思えなくなってきた。エギジットして他のメンバーと話していても同じ感想だった。
 さて砂地を転がったNの謎。それはガンガゼを足首に刺してしまってあまりの痛さ(ショック?)で「いやーん、これ脱ぐ!」と思ってブーツを脱ごうとしていたらしい。が水中では無理と判断したやっちゃんに止められて船にあがるまで我慢していたのだった。あまりにたくさんのガンガゼの棘に刺されていたので、一人でブーツを脱ぐのもままならずニーボーが手伝ってようやく脱ぐことができた。ブーツはもちろんウェットスーツの足首の部分も棘だらけ、もちろん足首も棘だらけなのだけど、ガンガゼの棘は折れやすく結局足首のは残ってしまった。こうなったら自然と皮膚下で溶けて消えてなくなるのを待つしかない。数日は腫れたりして痛みも残るだろう。

2本目は昼食をはさんで勤崎へ

 普段水深30mくらいにいるはずのアケボノハゼが20m地点にいるとのことでまずそれを見に行く。そして35m地点のスジクロユリハゼへ。でもここでよーく考えると、深場からみに行かないか、フツー?
 浅場に戻ってきてからうろうろしていると、ここにもユウゼンがいた!しかし1本目ですでにじっくり観察したし写真にも撮った、すでに堪能済みなのであまりこちらが興味を示さなかったのだが、なぜかこいつもついてくる。そしてタコの写真を撮ろうとしているニーボーのカメラの周りをうろうろしてまたしても邪魔者扱い。

3本目は後浜5番ブイ

 ここは以前はサンゴが美しいポイントだったのだが、数年前の台風ですっかり様子が一変して、ガレ場は見る影もない。しかし砂地が拡がってヒレナガネジリンボウやヤシャハゼなどが生息するのに絶好のポイントである。なのでここでもハゼ三昧。そこかしこにハゼがいるので全員匍匐前進状態で砂地を進むダイビングであった。エソ

 夕食はお魚三昧、新鮮なお刺身や鯛の塩焼き、最後のイカめしは絶品だった。寝る前に外に出てみると、またまた降るような星空。宿の上に広い駐車場があるので懐中電灯の明かりをたよりにのぼってみると、街頭や宿の明かりがなくなるのでますます星空が際だって美しい。立ったまま空を見上げているとしんどくなってきたので、アスファルトの上に寝ころんでみる。まだ熱をもったアスファルトのぬくもりが妙に心地よい。天の川やカシオペアや夏の大三角形がよくみえて、町中ではなかなか見ることのできない美しい夜空だった。
 全員が寝ころんであれやこれやと話していると、仕事を終えたダイブサービスの人が帰るために車までやってきて、奇異な目で見ていった、ようだった。暗くてわかりにくかったけど、多分。

2006. 8/27

1本目、ストーンウォール

 この日は帰着のスケジュールも考えて朝食前の早朝にボートで出発。アケボノハゼを見に行きましょうということで、エントリーすると朝一は透明度もよくすばらしい眺め。キビナゴはもちろんメジナもたくさん群れており爽快な気分だった。さて目的のアケボノハゼまでは延々泳ぐ泳ぐ。深度もやはり35m。アケボノはペアでホバリング中だった。写真を撮ってさて少し浮上、というところで私の目の前にいきなりホタテツノハゼ。どちらもうわぁとびっくりしてしまう。ホタテツノハゼはあわてて引っ込んだけど。

2本目、ラストダイブは後浜1番ブイ

 ここは前日の2番ブイとあまり離れていないポイントで、同じような砂地が広がっている。ここで柏島固有種(らしい)キツネメネジリンボウをみる。他にホホスジタルミの幼魚やアジアコショウダイの幼魚など白黒の魚をみて浅場へ。現地のサービスの人が大きなクロナマコを手にしているので見てみると、1cmほどの真っ黒なナマコカクレエビが。つやつやとした背中がとてもきれいだった。そしてここでもあのユウゼンが!ダイバーの足の間や頭の先にまとわりついてくるのである。昨日と同じ個体である。ダイバーを見て近寄ってくるところを見るともしかしたら誰かが餌付けしているのかもしれない。

 エギジットして大急ぎで器材を洗ってしまう。お天気もよかったので帰る頃にはほとんど乾いた状態でバッグにしまうことができた。1時過ぎに明石へ向けて帰路につく。途中いつもの水車亭で芋ケンピを購入して、いつもの道の駅で絶品鰹のタタキへ!と思ったら、ちょっと前に来ていた団体さんが鰹を買い占めてしまったので、本日売り切れとのこと。ビール片手にがっくりとうなだれる男性陣、仕方がないので焼き鰹の試食や焼き鳥で心を見たそうとするのであった。あ〜、最後に心残りができてしまったね。



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