串本
(2005.08/12-15)

ダイビング分科会:ほらふきクラブ

2005. 8/12

 今年のお盆も、例年と同じように串本でダイビング。
 休みの都合で他のメンバーよりも一日早く出発した(他のメンバーは今夜到着予定)ので、今日は私たちだけで潜ることになった。この日はガイドも明日からの繁忙期の前の一休みといった風情で、「カメラを持って潜ってもいいですか?」と聞いてくるくらいゆったりとしていた。

1本目はイスズミ礁
 寒いと聞いていたのでフードをかぶって潜ったが、これで正解。本当に8月かと思うくらいに水温が低かった。今回のツアー全般に、水底は特に寒かった。そのせいもあって、一本まるまる中層のみを移動しただけで終了したこともあった。
 ガイドが何度も「寒くないか?」と聞いてくる。何度目かに「寒い」と答えた瞬間にびゅーんと安全停止バーまで移動したのは、ガイドもやはり寒かったのだろう。
 このとき見た魚といえば、ガイドに釣られた(誘われた?)カゴカキダイが潜っている間ずっとついてきたくらい。夏の串本と言えば「イスズミ礁のチョウチョウウオ玉(群れ)」なのだが、今回は群れにはほど遠かった。

 夕食は、普段のツアーでは人数が多く行くことが出来ない『萬口』に名物のかつを茶漬けを食べに行った。何度食べてもおいしい。
 その後、ストレッチ大会をしながら到着予定のメンバーを待つ。

2005. 8/13

追いかける、イルカを イルカ!イルカ!イルカ!
 とにかくイルカ!

1本目は住崎
 ポイントに到着し、アンカリングしている最中にイルカが船の真横を通り過ぎていくのを目撃して、みんなで大興奮。数日前から、このあたりに野生のイルカが目撃されたと聞いていたが、まさか自分たちがそれを見ることが出来るなんて思ってもいなかった。このまま潜って、上手くいけば水中でイルカに遭えるかも、と微かな期待を抱きつつエントリー。
 冬なら珍しくもないが、真夏にピカチュウウミウシを見に少々深場の根に行く。深場へ行くほどに水温が低くなって、やっぱり寒い。確かに、こんな水温だから、ピカチュウも出てくるのだろうが、なんともなぁと思う。
 このとき、別のグループはイルカを見かけたらしい。
 うらやましいと思いつつ、次の根からもう少し深場に行こうとしたとき、ガイドが大声で叫んでいる。何かと思って周りを見回すと、イルカ!が居た。
 ビックリしながらも、そのままわき目も振らずにイルカの後を追いかける。追いかけながらも頑張って証拠写真を何枚か撮る。追いかけている間は周囲を見る余裕などなく、とにかくイルカだけを見ていた。イルカの左の胸鰭に白い布が絡んでおり、それを取ってやりたいなどと不遜なことを考えたが追いつけるわけは無かった。隠れるイルカそして、岩陰にすっと隠れてしまった後、イルカはどこかに行ってしまった。そのときになってやっと回りを見渡す余裕が出来たが、全員同じようにイルカを追いかけていたらしく、後で聞いたら「誰か居なくなっても気がつかなかっただろう」と全員が言っていた。
 時間にして30秒から1分程度だったろうか、後から冷静になって考えれば水深20mで全力疾走するのはよくないのだが、その時はとにかくワープをはいていて良かったとしか思わなかった。
 その後のダイビングはほとんど付け足し、エクジットしてからもとにかく話題はイルカのことしかない。カメラを確認し、全身を捉えられた事にとにかく満足して港に戻る。

2本目はグラスワールド
ジョーフィッシュ エントリー前にちょっとしたハプニングが。ワープを履くには、ポケット部分を裏返して足を入れてから裏返した部分を踵にかぶせる方法が手っ取り早くていいのだが、ゴムが少々硬くかぶせる時に少々苦労することがある。この時も、ちょっとあせって左手でかぶせようとした時に中指に激痛(ってほどでもなかったかも)が走った。どうやら、ちょっと爪がめくれかけたようだった。痛くてもエントリーしたけれど、後から見てみたら爪の中に血が、、、、、、 。
 久々に情けないことをしてしまったので、これ以後は普通に靴を履くように足を入れるようにする。踵の部分だけ柔らかい素材で出来ているといいのに。
 こんなことがあったので、海の中で覚えているのは、やっぱり水底が寒かったことと黄色いジョーフィッシュを見たことくらいかな。このジョー君にガイドはピンセットでひたすら小石を与えていた。小石をぷっと吐くジョー君は可愛かった。

3本目は備前
 水底と中層でサーモクラインがばっちり見えるくらいの水温差は、水底へ行く気を無くさせる。だってハゼも出てないんだもん。

 夕食は恒例のバーベキューである。他のグループの方たちからサザエを貰い、スイカを貰い、とテーブルがどんどん豪華になっていった。これもイルカに会ったおかげだろうか。
 イルカの興奮を語りつつ、明日の朝は早朝ダイビングが待っているため早目に就寝。

2005. 8/14

 この日はサービスが一番混雑するとのことで、朝食前に1本潜る。

1本目は浅地
 流れはなく潜りやすかったが、外洋でもやはり温度差が大きくてアーチ(水深30m程度)をくぐる時のヒンヤリ感は何ともいえないものがあった。
 初めて浅地に潜った二人は地形に感動していようだが、この日の浅地は「全体的に見て中の下くらい」だとの判断されていた。やはり外洋はすこーんと抜けていて欲しい。

2本目はグラスワールド
 暗いし寒いし、こんなのは真夏のグラスワールドじゃないと思いつつ潜る。
 この時は別に来ていたカップルと同じグループになったのだが、女性の方が久々なのか初心者なのか、男性にずっと手をつないでもらって潜っていた。あれでは2人とも動きづらいだろうなと中層から見ていた、だけのダイビングだったように思う。

3本目は住崎
 何度も、そんな良いことはあるわけがないと頭ではわかっていても、昨日の続きを期待しながらエントリーする。だが、そううまい話はころがってはいなかった。
 ここでは、ミギマキの中にテングダイが2匹居るのを見かけた。この季節に串本でテングダイを見るなんて本当に8月なんだろうか。

 この日の夕食もBBQ。

2005. 8/15

1本目は備前
 「集合は水底で」と言われていたが、水底は寒いので全員が中層で待っている。結局、中層に集合後、移動しようかという時にチビカンパチの群れが現れる。 

小カンパチの群

 100匹近いカンパチとカンパチが狙っているキビナゴの群れに囲まれているというのがぴったりだった。
その他の魚たち(例) 途中でアオリイカの群れも現れた。でも、バディは何度教えても気がついてくれなかった。遠目に見たら、カンパチと同じに見えていたようだ。
 群れがいなくなって移動しようとするとまた群れが現れる、の繰り返し。結局ずっと中層でカンパチに囲まれていた。平均水深が10mという、備前ではありえないようなダイビングだった。

2本目はグラスワールド
 まったりと潜ろうと浅場へ行く。
 浅場でアオウミガメに近づけるだけ近づいて観察。その後、一昨日暢ちゃんが見かけたというカスミチョウチョウウオを探しに行く。
カスミチョウチョウウオ 本来カスミチョウチョウウオは南の島の沖合に群れているもので、南紀に居るような魚ではない。やっぱり居ないじゃないかと思っていたら、なんと本当にカスミチョウチョウウオを発見してしまった。さすがに群れではなく1匹だけだったけど、串本でカスミチョウチョウウオは初めてかもしれないと思う。
 ちゃんと証拠写真を撮り、満足してエクジット。

 今回のダイビングの最大の出来事はやはり水中でのイルカとの遭遇。
 いつかは見たいと思っているものはいくつかあるが、イルカはダイビング中に見ることが出来るなんて思ってもいなかったので、自分もしくは一緒に潜っていたメンバーの運のよさに感謝したい。
 他にもカンパチトルネードやカスミチョウチョウウオも見えて、水温は低かったけれど充実した串本ツアーだった。これで透明度がよかったらもっとよかったけれど、それを望むのは贅沢すぎるかな。



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