兵庫県明石市を20時30分に出発し、高知県大月町柏島に到着したのは2時30分頃。
おおよそ6時間の行程である。これでも数年前に比べれば、高速道路が延長されトンネルができたことで大幅に時間が短縮されている。
これだけの時間をかけても、柏島へ行くのはそれなりの価値があるからだ。しかしその具体的な理由は何だろう。
2004. 7/24
後浜1番、サルガウド、後浜5番
まずは後浜1番。柏島のポイントはどこも港から近いが、後浜は特に近い、エンジン全開にしたかと思うとすぐに止まるくらいだ。
ここの砂地はハゼ天国らしい。
ガイドがキツネメネジリンボウやヤシャハゼなどを捜し移動する
。ハゼに興味がないわけではないのだが、そのときの気分によっては引っ込めてしまう危険(一緒に潜っている人に迷惑をかけてしまうかも、もっともこのときはキツネメネジリンボウもヤシャハゼも、あちこちに何匹もいたらしいので、
迷惑を気にする必要はなかったようだが)をおかしてまでと思うこともある。このときも、勝手に砂地を観測していたのだが、素人に特別なものが見つかるわけもなく、ダテハゼを何匹か写真に撮るのみだった。
ところで、柏島のポイントはどこでも深度に気を付けなくてはいけない。ここも砂地を徐々に降りていくので、ついつい深くなっていたことに気がつきにくかった。砂地でトラフカラッパが移動しているのを発見して写真を撮ろうとしたが移動速度が結構早くて、回り込んで
いると、最大深度が30mを越えてしまっていた。
続いて潜ったサルガウドは20m台にアケボノハゼが居るらしい。現地ガイドの「最近は出ていない
」との言葉もあったが、とにかくチャレンジ、運良くアケボノハゼに遭遇できた。
このときは、アケボノハゼの近くに着底したので少しずつにじり寄って写真を撮りまくる。そのわりにはあまり綺麗な写真が残っていないのは、、、なぜだろう。
後浜5番
というか、ボートは5番に繋留するも、そこから6番を経由してのピグミーシーホース狙い。
一気に斜面を降りていくと目的地の直前で口内保育中のジョーフィッシュがいる。そしてジョーフィッシュ観察中にガイドが下のウミウチワを調べだ
す。しばらくして、ピンクのウチワの中で少しだけしろっぽいピグミーシーホースを一匹発見。ジョーフィッシュ観察から移動してきた全員で見つめ、写真撮影を始めると、
なんとウチワから離れて泳ぎだした。
ピグミーシーホースは5年ほど前から話題になり、最近では日本のあちこちのポイントで発見されている。やっぱり昔から棲息していて、ただ小さくて誰も居るなんて思わないから発見されなかっただけなんだろうか。それとも最近なんらかの関係で生息域が増えたのか、どっち
なんだろう。
ダイビング終了後は、食事して、宴会して、早目に就寝。
2004. 7/25
勤崎、民家下
ここもアケボノハゼが目的。ただし先日のサルガウドよりも深い35mあたりにいるらしい。毎回こんなに深く潜って大丈夫か、と思いながらもやっぱり行く。
途中でハナヒゲウツボの幼魚、タテジマキンチャクダイ幼魚、クダゴンベとたどりながら30mを越えたあたりで急に水が冷たくなる。そこから少し下にアケボノハゼが2匹。先日に続いて撮影していると、大きなコブダイがダイバーめがけてやってきて、、、そして、アケボノハゼは消えていた。
その後、根を少し上がる。
直前のチームがここでユウゼンを目撃した(写真も撮った)らしい。ユウゼンを小笠原や八丈島以外で見かけるのは極めて珍しい。ガイドが「このあたりでユウゼン」と書いたのを見て、捜そうと思ったけど、実はユウゼンがどんな魚か知らなかった。もっとも、簡単に見つかるならその場の誰かが見つけていたんでしょうけど。
最後は民家下。ポイントに到着するとすでに別のチームのボートが止っていた。ここはサービスごとに日に1本しか潜れない、また同時には1チームしか潜れない
ことになっている。しかたがないので、近付いて様子を見ると、どうやらもうすぐエグジットしてくるらしい。潜行の準備をしながら、少し待つことにする。
ここでは、超希種のピンクスクワットロブスターやアナモリチュウコシオリエビ、キツネメネジリンボウ、ヤシャハゼ、ジョーフィッシュなどが居たらしいのだが、この日は“小さきもの”に興味を持てなかったのでほとんど記憶に残っていない。いや、もしかしたら目撃もしていないのかもしれない。
とにかく鉄塔がたくさん沈んでいて、そこに手でもつこうものならスズメダイの攻撃を受けてしまうことだけはよく覚えている。
このときの潜水時間も60分以上、この2日の間に5本で合計280分も潜っていたことになる。
潜るのは午前中の2本のみ。機材をかたずけ、昼食をとるともう帰らなくてはいけない。結局、14時に出発して、帰り着いたのは21時だった。