2003. 9/12
稀に見る大型で強い勢力の台風14号 が宮古島に接近中。
関西に接近する様子はないので普通に生活するにはたいして心配ないのだが、ダイビングとなると海況がどうなのか非常に気になる。
不安はあるものの、金曜の夜に串本へ向かって出発。口では、「潜れなかったら、串本海中公園へでも行こう」と話しながらも、心では「なんとか回復してくれ」と考えている。しかし途中の白浜やすさみ、そして串本で海の様子を観測するたびに、暗くてはっきりわからないものの「やっぱり無理か」って気になってくる。
とにかく翌日の回復を願いながら就寝。(の前に、短時間の宴会はお約束か)
2003. 9/13
朝、やはり状況は回復していないどころか昨夜よりも風が強くなっているかもしれない。オレンジハウス前のビーチを見るととても潜れるような状況ではなさそう。
「やっぱり無理か」と思っていたのだが、紀伊大島は潜れると情報が入りそのまま須江ダイビングセンターへ。
この日、潜ったのは「地蔵岩」と「コワリ下」。
台風の影響か、透明度はどちらもあまり良くなくて3〜5m程度。そしてなにより、15m以上潜ると水温が20℃を切っている。フードなどを準備用意していなかったためとっても寒かった。
寒い中、ガイドロープがあちこちに張られた水底を移動。寒くてなにが居たのかなにを見たのか良く覚えていない(ミジンベニハゼとかがいたらしい、クマノミもみかけたかも)、、と書いているけど、それでも2本とも50分以上も潜っているのはどうしたわけだろう。
この日は2本で終了し、早い時間から宴会へ突入。
2003. 9/14
ようやく海況も安定して、串本の海で潜る。ポイントは「グラスワールド」、「住崎」、「イスズミ礁」の3本。
水面は透明度5mほどだったものの、水底は10m以上と思ったよりも綺麗な海。なによりも水温が26℃と潜っていても寒くないことがどれほど有り難いかを再認識する。
ハナヒゲウツボ、ニシキフウライウオとチョウチョウウオの群れはお約束。あとは何が居たっけ、、アオヤガラの編隊と砂地を歩くモンハナシャコ達。そうそう、直接は見ていないが、串本には珍しくカガミチョウチョウウオも居たらしい。
お約束の人たち。チョウチョウウオの写真はない。 |
それと正月以来のグラスワールドでは、夏の台風で名物のスリバチカイメンは流れてしまっていた.。
しかしその残骸にいまだによりそうタカノハダイの姿は目にするダイバーの涙を誘っていた、、、かもしれない、誘わないかもしれない。
ところで、台風の影響による海況のためにお流れになってしまったが今回のダイビングでは Underwater Navigation
の講習を受けるつもりにしていた。そのため、今回のダイビングではAOWの講習以来の熱心さでコンパスを見て自位置を確認しようと思いながら潜っていたのだが、それでもあらぬ方角から目的地が、アンカーロープが現われるのは何故なんだろう。
疲れていたためか宴会は比較的おとなしく終了。その後、深夜のゴキブリ退治などのイベントをこなしてから就寝。
2003. 9/15
今回のダイビングツアーの目的であるブルーウオーターダイビングのため、初日と同じく須江ダイビングセンターへ。
港から漁船で南下すること約20分で、海がそれまで黒っぽい色だったのが深い青色にと急に変り始める。これなら串本の外洋(島廻りとか)へ行くよりも早いかもしれない。もっとも黒潮はこの季節が一番岸に近付いているらしく、季節や日によって時間が結構異なるらしい。
途中で擦れ違った船(左)とエントリーポイントから見た陸地。 |
しばらく位置を決めるためか、移動したあとエンジンが止まりフロート(とバー)が流されると、次々とエントリーを開始する。ブリーフィング通りにフロートまで移動すると、各チームごとに揃ってロープ沿いに潜行し、水中のバーに取りつく。
総勢20名、バーの回りはダイバーの吐き出す泡とフィンとで混雑しているが暫くするとバーに掴まっている必要がないことがわかり、少しづつ周囲へちらばっていく。この日も時速5Kmを越える速度で流されているのだが、目標物は何もなく、目に入る船もフロートもダイバーも同時に流されているためにまったく流れを感じることはない。
下を見ると途中で青い色の中に消えてしまいどこまで続いているのかわからない。説明では水底まで2000m以上あるとのこと。
外洋は砂漠や極地と並んで地球上でももっとも生命の少ない場所だそうで、なにも居ない海をただただ漂うだけ。周囲360°と下方向は、ダイバーを除けばなにもない青一色。上方は2隻の船と太陽のまぶしい光。
ブルーウォーター中のダイバー達。 |
最近マンタの目撃例が多いらしいが、個人的にマンタなんてどうでも良い。少しだけ視線をそらせば一緒に潜っているダイバーも、船もフロートもなにも目に入らない状態で暖かい海を浮いていると最高の気分になれる。
とはいっても、誰かが目撃したものを自分だけが見ていないのは非常に悔しい。という我が侭な気分から、なにも出ないことを望んでいた。しかし、安全停止に入ろうかという頃に遠くの方に何か出たらしいとなれば、とにかくそちらの方向へ全力(は怖いのでセーブして)ダッシュ。平べったい影のようなものが見えただけだったが、オニイトマキエイとヒメイトマキエイだったそうな。
この日はこの1本で終了。
途中で温泉に入って、自宅に帰りつくと明石海峡大橋のライトが黄色と黒の地味な配色になっていた。