酷環境順応訓練:歩編

荻野[十月一日では遅すぎる]歩

訓練開始訓練開始の決意表明四月三日
 今日から「初めての酷環境順応訓練」を始めます。
 あみちゃんも一緒にやります。ちゅぱちゅぱ。
 今日はちょっとだけでいいよね。
四月六日
 今日はみんなで、お花見に来ました。
 雨がふって寒かったけど、訓練もしました。
 ごほうびにお団子をもらいました。
コップ破壊四月九日
 だいぶ慣れたかな。
 ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ。
 ヨユウのほほえみが........。
四月十二日
遮蔽板を越えて ガラスコップでの訓練の成果をためすため、プラスチックのコップでテスト。
 ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ。
 あっさりつぶれました。
 
四月十三日
 宇宙線をかわす訓練もせねば。
 ふむ。これが遮蔽板か。ここをすり抜けてきた放射線をよければいいんだ。
 ちょっとむつかしそうだなあ。
四月十五日
ちゅぱちゅぱちゅぱ 最近はコップが口のまわりに張り付くようになりました。
 おもしろーい。
四月十八日
 訓練中に昼寝をしてしまいました。
 コップのあとがむらさき色になって、カッコ悪いです。
四月二十日
電磁波を見切る冷蔵庫内 今日は人外協の例会です。
 あみちゃんはもう冷蔵庫に入ったそうです。負けてるー。
 適当なコップがなかったのでお椀でやってみましたが、大きすぎたみたい。
 部屋中の空気を吸ったらしく、ガメラおじさんが息苦しいと言っていました。
四月二十一日
 思い切って冷蔵庫に挑戦。
 でも扉を閉めると、せまいよー、くらいよー、こわいよー。
 私には向いてないわ。
四月二十三日
 今日はテレビの電磁波を見切る訓練をしてみました。
 ひょい、ひょい、ひょい。
 部屋が散らかってて、つまずきそう。

(お前が散らかしたんじゃ:母談)広場で見切る

四月二十六日
 広い所で宇宙線をよける訓練。
 散らかった部屋での特訓のおかげで、楽勝だい。
四月二十九日
 冷蔵庫はこわかったので、タンスで訓練することにしました。
 お父さんに目張りしてもらってる途中でちゅぱちゅぱしたら、お父さんが酸欠で倒れました。
 もう修了試験をしてもいいと、みんなに言われました。
五月一日
 今日は山の上で修了試験です。

山の頂で、

 ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ。
 あれ?トリが落ちてきた。動かないよ。え、酸欠で死んじゃったの?
 ごめんなさい、トリさん。私のせいね。しくしく。
 今まで生きてきて、一番悲しい。
 宇宙忍者になれなくてもいいから、もうこんな訓練やめるーーー!!
落ちてきた鳥 介抱する、あゆみ

 (保護者の命もキケンだったので、以後訓練を中止しました:母談)




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