さてブラックホール第3惑星人とは誰でしょう?
そうです、ゴジラ対メカゴジラで、メカゴジラを作った宇宙人です。
実は彼らも汎銀河人ではなかろうかというのが、本文の趣旨なのであります。
●名称について
そもそもブラックホール第3惑星人とは何でしょう。
例えばバルタン星人。彼らはバルタン星に住んでいたから、バルタン星人と名乗っていた。じつに明快です。
ところが、これがブラックホール第3惑星人だとこうは明快でない。だいたいブラックホール第3惑星とは何か? これが彼らの文明を考えるうえで非常に重要な問題です。
まず、ブラックホールの周りを回っている惑星に人類のような生物が誕生するでしょうか?
まして彼らは居住に適しているから地球進出(ここら辺の表現は立場によるでしょうが)を企てたはずです。
この矛盾を回避できるのは、彼らはブラックホール第3惑星に何処からか移住してきた場合です。
また第3惑星と言うからには、少なくとも第1と第2があるわけですね。
むしろ数多くの惑星がブラックホールの周りを回っていて、そのすべてに彼らの民族が居住していると考えるのが自然でしょう。
となりますと、彼らは故意にブラックホールの近くに居住していることになります。
なぜでしょう?
答えは一つ。彼らの文明こそ降着円盤文明に他なりません。
降着円盤の想像を絶するエネルギーを求めて、彼らはブラックホールの近くに文明を築いたのです。
●どこに住んでいるのか
「どこって、ブラックホールの近くだろう」そりゃそうです。
でもね、ブラックホールなんて物は何処にでもあると言った物ではありません。
この太陽系に一番近いブラックホール(と、思われる天体)でも優に10光年以上はあります。まして降着円盤文明の舞台になるようなブラックホールは、銀河系の中心にしか存在しません。
つまり彼らブラックホール第3惑星人の本拠地は銀河系の中心付近ということになりますね。
●地球に来た目的は
ブラックホール第3惑星人が地球に来た理由は、彼らの母星がブラックホールに飲み込まれそうなので、移住先を確保するためです。
しかし、おかしいとは思いませんか?
銀河系の中心部に住んでいる生物が、いかに環境がよいからと言って、銀河系の端までわざわざやってくるでしょうか?
でも、この疑問に対する答えはすでに映画の中で解明されているのです。
どこかおわかりですか?
●ブラックホール第3惑星人の地球進出軍について
ブラックホール第3惑星人が地球に来た理由は、メカゴジラの逆襲を注意してみるならば、容易に理解できます。
まず、映画の頭のほうで、ムガール司令官が母星に(前回の失敗を)報告に行ってきたというシーンがありました。
もし、あの地球進出作戦が、民族の存亡をかけるといったものならば、作戦に失敗したムガール司令官が指揮を取り続ける訳がありません。
良くて司令官解任、悪くすれば銃殺(そんな風習があればですが)です。
さらに、破壊されたメカゴジラを修理するために地球人を労働力に使う場面がございました。
要するにそれほど地球進出にやってきたブラックホール第3惑星人は小人数だったということです。
これらのことからでる結論は、ブラックホール第3惑星人にとって地球進出は移住先として本命ではないということです。
環境は良いとしても、その距離ゆえに本命となるには問題があります。
とは言え、環境に問題はありませんからブラックホール第3惑星人が地球に来たのは要するに唾を付けるという奴ですな。
ブラックホール第3惑星人が地球進出をどの程度に考えていたかは、その予算規模を見てもわかります。
いやしくも文明が存在する惑星を占領するのにロボット一台で済ませようと言うのですよ。
しかも、そのロボットが壊されたら修理して使おうといういじらしさ。
きっと、彼らの地球進出予算の大半は、メカゴジラ建造に使われてしまったのでしょう。
●ブラックホール第3惑星人はどんな人達か
ブラックホール第3惑星人は地球を武力占領しようとしたわけですが、だからと言って彼らを好戦的と決め付けるのは考え物です。
むしろ戦争などしたことがないと考えられるふしが多々あります。
まず、恒星間旅行すら可能な科学力を持ちながら、メカゴジラの兵器はビーム兵器やミサイルというていたらく。
だいたい、メカゴジラさえだせば何とかなる、という安易な戦術が見え隠れするのは私だけでしょうか?
これが彼らが戦争の経験に乏しいことに加えて、自分達の文明こそ宇宙一だ、という一種の中華思想によるものと思われます。
地球人は蛮族であるからメカゴジラのような巨大な機械を見せつければ簡単に降伏するはずだ、というのが彼らの正直な感想でしょう。
ですから彼らの進出意図には地球人を支配しようという野心は感じられません。
ムガール司令官にしても、母星の命令だから地球に来ているだけで、彼には地球の支配者になる気はないようです。
むしろ彼の言葉の端々には、地球進行を成功させて早く母星に帰りたいという、単身赴任者の悲哀すら感じてしまいます。
●ブラックホール第3惑星人と地球人
文明の水準に大変な隔たりがあるふたつの文明になんらかの関係があるのでしょうか?
どうもこれがあるようなのです。
まず彼らは地球の女性をサイボーグにしてしまうのですが、人間の体などそう簡単に改造できるものではありません。
まして、相手は未知の惑星の生物なのですよ。
と、言うことは彼らの体の構造と地球人のそれは殆ど変らないという結論になります。
ですが、平行進化などということはまずありえませんから、必然的に彼らと地球人は同じ起源ということになります。
そうなれば彼らブラックホール第3惑星人こそ汎銀河人の仲間でなくて何でありましょう。
超光速シャフトには時間を遡る働きもあるとのこと。それなら現代の地球にブラックホール第3惑星人がやってきても不思議はない。
とっ、ここまで書いてまいりましたが、ブラックホール第3惑星人=汎銀河人説。いまひとつ展開が強引でしたね。
何と言いましても肝心の汎銀河人についての情報が少なすぎます。
ここは一つ、谷先生にがんばっていただきましょう。