航空宇宙軍・極秘実験
「極秘的<究極の兵士>」制作計画

岡村[気にいってるけどちょっと長いな〜と思っている役職名「体操のお兄さん」]隆司

「吉田画伯が描いたといわれる
  航空宇宙軍医科学校の
  学生募集ポスタ−(復元)」

 航空宇宙軍が、人間を越えた<究極の兵士>を求めていた事は有名な事実である。初期の太陽系開発期に活躍したマン・マシン系サイボーグ(爆弾みちづれ三勇士「オグ」等)から、第二生物学研究所の「V計画」(詳しくは、一年程前に未公開の資料を一つ加え、出版された書物を参考の事)まで、解っている事を集めても、航空宇宙軍が方法を限定せずに研究を進めていたのが理解出来る。
 極東の第二生物学研究所で、亜人類による<究極の兵士>が研究されていた頃、北米の第三生物学研究所では、秩父山博士を中心に、人間に動物の能力を加えた改造人間を研究会発していた。
 第二生物学研究所の「V計画」が、外見こそ人間だが、能力は常人を遥かに凌ぐ亜人類を作り出し、万能兵士としたのに対し。秩父山博士は、動物の人間を凌ぐ能力を強化して人間に加えることで、極地的な<究極の兵士>を作ろうとしたらしい。
 どの様な改造人間が、何人程存在したか等は、当時の詳しい資料が無い為に、残念ながら判らない。現在残っている数少ない資料の中で、一つだけ、改造人間が描かれたイラストがある。それは当時の少年誌の巻頭カラーグラビア大特集「戦う僕らの航空宇宙軍・異星で無敵の快進撃、航空宇宙軍きみも知らないひゃくのひみつ!」の、当時の資料中心主義で有名な吉田戦車画伯の、「カッパ型異星人(『MASTER・カータン』←ウソ:と吉田戦車画伯の注がある)と、雌雄を決する、航空宇宙軍改造人間『カワウソ男』」と言う題名のイラストで、吉田画伯の作品の傾向から、実戦に参加した事は確実な事だろう。
 尚、当時の第三生物学研究所で、炊事班に勤務していたある女性(特に名は伏せるが現在では<閣下>と呼ばれている)の証言は改造人間の性質とそのバリエーションを語っているので次に記載しておく。
 「水面でうつむいて泳ぐのが『カワウソ男』で、あおむけで泳ぐのが『ラッコ男』…」
 この証言から、少なくとも二種類の改造人間(河川用の『カワウソ男』、海用の『ラッコ男』)が存在したのだろう。
 最後に、第二生物学研究所を脱走した戦闘員 タイプV−ヴォルテ−を、『ラッコ男』が追撃したという話が……ある訳がない。




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