3月例会レポート

村田[従五位下治部少輔]健治

 朝から雨の降り続く肌寒い天気の中、私は興奮を押さえながら「セジュール」のドアを開いた。
 その日初めて例会に参加する私は、漠然と「店にさえ入れば一目で人外協と分かる人達が見つかる」だろうと考えていた。
 しかし、そんな私の甘い考えは店のドアをくぐるなり打ち砕かれてしまった。そこは普通の喫茶店であり、普通の人々が普通にお茶を飲んでいたのである。
 それとなく店内を観察してみるが、谷甲州のファンらしい集まりは見つからない。もしやと思い店の人間にも確認してみるが秘密の地下室や隠し部屋などはないようだ。
 思い倦ねた末に、幹事となっている安達裕章隊員に電話を入れてみると、すぐに店の奥から手を振るひとりの男性の姿が目に入った。
 その男性に近付きながらも私は驚きを隠せずにいた。
 その男性は軍用外套を着込むことも無く、スーツの左脇に不自然な膨らみを作ることも無く、ビバークしながらツエルトの中でテルモスの中のネパール茶とツアンパをすすめてくれることも無く、ましてや剣呑な殺気を押し殺して闇溜まりに潜む大男でも、不釣り合いなほど大きいファッショングラスをかけ一心不乱にキーボードを叩くフィリピン人の少女ですらなく、柔和な笑顔をカジュアルな服装で包んだ優し気な男性だった。
 拍子抜けした思いで挨拶をかわすうちに、伴野さん、小野塚さん、島田さん、坂本さん、中谷さん、沖田さんそして今回、名古屋支部から東京支部へと移られたという陰山さんと多くの方が次々にあらわれたが、誰ひとり路地裏でトカレフを試し撃ちすることもスプーン片手に追っ手と戦うことも無く、知的で洒落た会話を楽しむ、どう見ても極く普通の人ばかりなのだ。
 私は毒気を抜かれた気分で、繰り広げられる会話に耳を傾けてみることにしたが、「ヴァレリア・ファイル(上)」(発売前どころか甲州先生よりも早く安達さんが手に入れたと言う逸品)、「ガメラ3」、そして「小野塚さんの海外出張」といった話題がのぼるばかりでやはり「マナスル遠征を買い取りたい」とか「本来ならこの地に油田が発見されるのは、今から三〇年ほども先のことになります」、「レディ・Lはここに来た」、「ダンテ隊長が私を回収しにきたら、私を蘇生させてくれ」などと言い出す人はあらわれなかった。
 ところが、話もひとしきり終わったところで安達さんから「そろそろ一次会へ」という謎の言葉と共に会場(会場名は忘れてしまいました)を移動することになったのだ。
 高まる期待と不安の中で入隊儀式としてロシア漬と洋風おにぎりを食するという儀式が始まりいよいよ最高潮に達しようかというその時、話はまたハイ・センスでハイ・ソサイエティな会話へともどり儀式はいつの間にか終わっていた。
 その後、坂本さんを除く隊員はそろってカラオケボックスへと移り、「炎のさだめ」、「恐怖の町」等を絶叫し多くの替え歌を耳にし、「隊歌」を憶え、「宇宙戦艦ヤマト」を歌い例会は幕を閉じた。
 これが私の人外協とのファースト・コンタクトであった。

 最後にレポートが大変遅くなったことと共に、訳の分からぬ内容になってしまったことを慎んでお詫びいたします。また四月の例会は夜勤と重なるため参加できませんが盛況なものになることをお祈り申し上げます。


7月例会レポート

山口[タナトス戦闘団付深度測定長(少尉)] 雅子

 7月17日土曜日、つぶらな瞳で「お休みなんでしょ? 行かないでちょうだい、遊んでちょうだい」と訴えるブロッサム、通称ちびころを振りきって、沖田家でのバーベキュー例会に行ってまいりました。
 実は私、生まれてこのかた個人宅の庭でのバーベキューというものを経験したことがありませんで、一体どんなものかとちょっぴり楽しみにしながらの参加でしたが、気付いてみたらテーブルに座って飲み食いしながらしゃべるだけという、普段の例会とあまり変わらないものになっておりました。もっとも、体調の思わしくなかったらしい陰山隊員が早々に離脱、昼寝モードに入ってしまったため空いた瓶の数はいつもより若干少なかったようですが……そんな中、ひたすら肉を焼いては出していただいた沖田隊員とご同僚のかた(仮役職名:網将軍)、どうもありがとうございました。
 夕方日がかげった頃、沖田家、陰山家の子供さんたちが近くの寺の「若いぼんさんたちが女の子目当てに踊りの練習の指導をしてた」という盆踊りにでかけました。そこで我々も庭をかたして見物に出、まあ彼らが百八の煩悩を振り落として一人前の僧侶になるには多大な修行が必要であろうと思われるぼんさんたちの盛りあがりをしばし堪能、再び沖田家へと戻りました。
 その後は会場を家の中に移し、皆で巨人阪神戦をテレビ観戦。驚異的な阪神のねばりを愛情をこめて見守っていましたが、テレビ局が途中で放映をうちきるという暴挙に出たためにお開きとなりました。
 ……バーベキューとは一般的に、こういうものなんでしょうか? 


11月例会レポート

安達[MARIKO・戦う殺人アライグマ 20点]裕章

 連休前でお忙しい方が多かったのか、今月の東京支部例会は参加者5名のこじんまりしたものになりました。大勢で飲むのも楽しいですが、こうやって少人数で飲むのも楽しいですね。来月は年末、忘年会シーズンもたけなわで、ますますお忙しいコトと思いますが、ぜひ例会まで足を運んで下さいね。

●ゼロ次会
 喫茶「シャノワール」あらため「セジュール」で待ち合わせ。
 一番乗りは出張中の鬼頭さん。秋葉原帰りだそうで、(またしても)携帯型のコンピュータを購入したとのこと。いわく「秋葉原は懐に悪い」
 名言であります。
 私の次に、大阪から東京に転勤したマサマサこと小椋さんが登場。メールでお誘いしたときは、「集合場所が分からないかも」と言っておりましたが、無事に到着。
 次が今回、唯一の女性だった山口さん。どうやら新しいパソコンを買ったばかりということで、「早く家に帰ってセットアップしなきゃ」が、口癖となっておりました。
 でもって、最後に登場するのが真打ちよ、とばかりに堂々と登場したのが陰山さん。
 ほかに誰かこないかな、としばらく待ったのですが、そろそろ酒が飲みたいという意見が出始めたところで店を出ます。

●一次会
 本当は新宿で飲めば良かったのですが、変わったモンが食べたいという意見に「中野なら美味しい沖縄料理屋がありますけどね」と返したのが運の尽き。
 「どうせ一駅じゃん」と、タクシーに分乗して中野を目指します。
 中野駅北口界隈の雑踏を抜けて、沖縄料理屋「琉球酒家」に腰を落ち着けました。ここは私が仕事の合間にこそこそっと抜けて飯を食いに来るところで、安くて美味くて量が多いという店。
 泡盛をがんがん空けて談笑。

●一・五次会
 陰山さんは、以前、冒険小説協会の総会でながしたビデオ(映画のカットを切り張りして作った忠臣蔵&金色夜叉)を持参して下さいました。
 では、それを見ましょう。ということで、私(安達)の事務所に行きます。
 ビデオはとっても面白く、大笑いしながらお茶を飲んでいるうちに少しアルコールが抜けてしまいました。

●二次会
 これにて失礼、という山口さんを中野駅までお送りし、さてもう一飲み、
 と思ったのですが、帰りの電車の関係から言えば中野よりも新宿で飲んだほうが良いということになります。
 電車に乗ってふたたび新宿へ。
 南口すぐの居酒屋「浪漫房」へ突入。
 ウイスキーをかぱかぱと空けて、すっかり良い気分になった我々は、来月の再会を約して解散したのでありました。

 あー、よく飲んだ。


12月例会レポート

安達[MARIKO・戦う殺人アライグマ 20点]裕章

■葉書攻勢、ふたたび。
 知っている人は知っていると思いますが、私はとある作家のマネージメント会社を経営しています。で、その作家の身内に不幸がありまして、今年は年賀状が出せず、代わりに賀状欠礼葉書を出さねば。ということになったんです。去年いただいた年賀状の束をもとにリストを作る作業中、未使用の年賀葉書(ただし去年の)が相当数発見されました。「どうします?」と聞いてみたら、お駄賃にあげる、と言われたので、郵便局へ持っていって、普通の官製葉書に換えてもらいました。
 というわけで、「あぶく銭」ならぬ「あぶく葉書」を手に入れた私は、久しぶりに葉書攻勢を掛けてみるか。と思ったのでした。(長い前フリだ)

■0次会
「カフェ・セジュール」に移動中の私の携帯電話に、川村さんから電話が入りました。川村さんは古くからの隊員でありながら、ここ2〜3年はまったく例会にも参加されていなかった方。さっそく葉書攻勢の成果が出た、とニヤつきながらセジュールに到着。川村さんと久闊を叙しあいます。
 その後、沖田さんご一家が到着。誠くんは来年の四月から小学校ということでした。私が初めて誠くんに会ったときは、まだ犬猫くらいの大きさだったのですが。時の流れは速いものです。
 続いてマサマサこと小椋隊員が到着。途中で会社の備品の買い出しをしてきたと言うことでした。
 この日は第三九回日本SF大会ゼロコンの企画スタッフ会議があったということで、会議に参加していた山口さん、陰山さん、神北さんがやってきました。
 なぜか実行委員長の木原さんも一緒でしたが、彼も以前は人外協だったわけで、きっと久しぶりに沖田さんのお顔でも見に来たのでしょう。
 けっこうよい時間になったので、酒を飲みに行こうと席を立ちます。

■一次会
 忘年会シーズンの新宿、しかも予約なしということで、どうなるかなぁ、と心配したのですが、神北さんの馴染みの店になんとか入ることが出来ました。
 ただ誤算だったのは、陣取った席が悪かったのか、携帯電話の電波が入らず、途中何度か携帯電話が鳴ったのですが、合流を果たしたのは笠原さんだけでした。ま、これも運・不運でありましょう。「山口さんが食べられない鍋」や「陰山さんが激怒するくらい薄い水割り」などを楽しみながら、それでもけっこうお腹に入れている面々。
 話題は「ウランを溶かすのに使ったバケツは、実はかなり細工の細かい高級品だった」とか、「小野塚さんは果たして日本に帰ってこれるのだろうか」とか。実はあまり記憶が定かでなかったりします。

■二次会
 ほろ酔い気分で店を出て、いつもの通り「歌広場のお兄さ〜ん」と叫んでみると、季節柄サンタの格好をした客引き店員さんが駆けつけてくれました。
 ここで陰山さんと神北さん、木原さんが離脱。
 ちょこっと歩いて「いつもの」カラオケ屋に行きます。
 なんだかよくわからないうちに、ウルトラマンだの、仮面ライダーだの、大音声で歌う人たち。これもいつもの通りでありました。

■三次会
 カラオケ屋さんから駅に向かって歩く途中、沖田さんがわざわざゴールデン街を抜けていくコースを選択しました。案の定、途中の「深夜プラス1」で足が止まりました。
 私と小椋さんは、「山口さんは、きっと沖田さんが家まで送ってくれるさ」と呟きつつ、そのまま歩み去りました。あとは知らないっす。

 あー、今月も良く飲んだわぁ。




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