2002年新年会レポート

小宮[退役空軍注意]一之

 困った。
 私は今、ノートパソコンを前に、頭を抱えている。
 困惑の原因は、隊長からの「新年会のレポートを書け」という指令である。いや、確かに以前、年末に新年会レポートを書くという約束をした覚えはある。そのための準備も一応はしていた。しかし。
 2か月ほど前からメインマシンの調子が悪く、最近は全く起動しなくなってしまったのである。そのため、ハードディスクの中のデータが取り出せないのだ。
 もちろん、重要なデータはバックアップを取ってあるし、ノートにコピーしたデータもある。しかし、今手元にあるデータの中に、新年会に関係したものは何一つ無い。今更ながらマーフィーの法則の正しさを再認識するが、もちろんそんな言い訳が通用するほど人外協は甘い組織ではないだろう。仕方がないので、すっかり怪しくなった記憶を元に、当日の様子を再構築してみたい。

2002年1月某日、横浜。
 集合場所に赴いた私を待っていたのは、誰もいない風景だった。あわてて周囲を見渡すと、見覚えのある後ろ姿が遠方に。実は私は集合時間に2分ほど遅れており、幹事の沖田さんはじめとするご一行は、すでに会場へと向かう途中だったのである。もちろん遅刻した私が全面的に悪い。時間厳守は、人として当然のことである。
 ようやく一行に追いつき、会場となっている某中華料理店へ。料理の具体的な内容は失念したが、値段の割に質、量ともすばらしかったこと、紹興酒がおいしかったこと、卓を囲んでの会話も(人外協の集まりではいつものことであるが)実に楽しかったことは覚えている。

 食事のあと、しばし中華街を探索。途中、街角にたたずむロボットを発見。たぶん、大阪の食い倒れ人形と同じようなものなのだろうとは思うのだが、こちらは金属の地肌、内部のメカニズムがむき出しのボディ。居合わせた全員が一斉に「先行者だ!」と叫んだのも無理からぬところだろう。ロボットの前にはボタンの付いたコンソールが置かれており、いくつかのアクションが可能であった。残念ながら、中華キャノンの発射は不可能なようであった(当たり前か)。
 いくつかの店を覗いたのだが、中華鍋にも地方によっていろいろ流派があるらしい。チタン製の北京鍋などというものが売られており、思わず財布を開きそうになってしまった。値札を見てあきらめたが。
 世界中どこへ行っても、中華街には必ず関帝廟があるらしい。横浜中華街も例外ではない。ここで初詣を済ませる。しかし、関帝廟への礼拝の正式な作法を知る者がいない。とりあえず見よう見まねで線香を捧げてきたのだが、あれでよかったのだろうか?
 ところで私はここ数年、初詣以外で神社という場所に行ったことがない。つまり今年は関帝廟以外のその手の場所には一度も行っていないと言うことである。「神の国」の国民でありながらなんたることだという気もしなくはないが、まあ、そんなものである。

 中華街のあとは、氷川丸見学。氷川丸を見るのは初めてではないが、小椋さんから造船に関する話をいろいろと聞けたのはきわめて興味深いものであった。

 氷川丸下船の後、山下公園を散策。チェーンソーパフォーマーなどという訳のわからないものが芸をしていたらしいのだが、すでにその日の公演は終了したあとだったらしい。珍しいものを見逃し、大変残念である(私は今年、数回山下公園に足を運んでいるのだが、チェーンソーパフォーマーには未だに会えずじまいである)。

 何か雪に降られたりしたような記憶もあるのだが、この辺は曖昧である。何にせよ楽しい一日だった。

 という訳で、はなはだ不完全ながら、2002年人外協新年会レポート、この辺で終わりとさせて頂きます。




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