編集後記
(30周年を迎えられますね、おめでとうございます編)

中矢[酔ってないときは、海月の宇海]陽子

 ジャジャーン!
 今年はなんと、谷甲州先生の作家生活30周年でございます!
 おめでとうございまーす!!パチパチパチ。
 天が我らに谷甲州作品を与えたもうてから30年もの月日が流れたのです。そしてこの「こうしゅうえいせい」も第20号。こんな記念すべき号の編集後記を書く機会を頂き、光栄のあまり、書けないよぅ誰か代わって〜と涙がこぼれそうになっております。

 私自身の谷甲州先生の作品との初めての出会いは、大学のSF研の読書会で薦められた「惑星CB−8越冬隊」でした。実はその時の感想は、寒いよう寒いよう凍っちゃうよう寒いよう・・・と思ったことしか覚えていません。ストーリーもあったはずなのですが、とにかく寒い印象が強すぎて。その時には、それから何十年後かに、こんな所でこんなものを書くことになろうとは思ってもいませんでした。なにしろSF研とはいってもその中はSF派とFT派に分かれており、私は思いっきりFT派でSFは私には難しすぎて読めません!と豪語していたのですから。ですから何年か後にやはり友人に薦められて違う作品を読み始めて止まらなくなったとき、おかしい、SFのはずなのに面白い、と自分で自分に戸惑ってしまいました。そして翌年のSF研のOB会での近況報告のときには、谷甲州先生のファンクラブに入りました!谷甲州先生の作品は私が読んでも面白かったのでSFかと思っていましたが実はファンタジーかもしれません!と宣言して、学生時代からずっと谷先生のファンだったSF派の人々にのけぞられてしまったのでした。今振り返ると、小説をなんとかSFとFTに振り分けようとしていた自分が気恥ずかしく思えますね。でもそれがきっかけでSFに対するアレルギーが薄まり、より幅広い作品を素直に楽しめるようになりました。そういう意味でも、谷先生は実は密かに私の恩人でもあります。

 今年の「こうしゅうえいせい」は例年にない原稿の集まり具合で、編集現場では手だか書き手だか猫の手だかが足りないと魂の叫びが飛び交いつつの作業になっております。が、精鋭編集員たちが見事完成に漕ぎつけるであろうことは疑う余地もありません。

 というわけで、今年も皆様のお手元に青年人外協力隊会誌「こうしゅうえいせい・こうしゅうえいせい」を無事お届けいたします(たぶん)。




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