編集後記

大井[ないしょ]俊朗

 この「こうしゅうえいせい」があなたの手に届いた頃には、すでに映画「日本沈没」は封切りされてロングランとなり、「日本沈没第2部」は売れに売れて入手困難になっていることでしょう。もちろんあなたはすでに両方を鑑賞・読破していることでしょうが、もしちょっとした手違いで、映画館が超満員だったとか、某ゲーム機のように予約を受け付けませんなどで手に入らなかった時、あせってはいけません。世の中にはブームを利用してあくどいことを考える人間は山ほどいます。ネットオークションやWeb懸賞などで手に入れようとして、騙されたりなんかしないように気を付けましょう。
 ここのところフィッシング詐欺という言葉を良く耳にしますが、これはなかなか考えたネーミングですね。詐欺師に「釣られた」人を英語を使って揶揄してるんですね。本人を前に「あんな手口に釣られたなんて」、とはいいにくいけれど、「フィッシング詐欺に遭ったんだって?」といえば騙された人も馬鹿にされているとは気が付きにくいでしょう。被害にあっても黒髪が素敵な美人マジシャンや、背の高いお間抜けな教授が助けてくれるわけもないのでやはり騙されないのが一番です。
 ああでも世の中には真実を知らない方がいいということもあります。ちょっといいなと気になっている新入社員が実はあなたのことを心底嫌っているとか、昨日の夕食にあなたの苦手なカボチャがこっそりと混入していたりとか。実は住んでいるマンションの鉄骨がちょっとだけ図面より少ないとか。
 この18号のサブタイトルが何故「くうかい」なのかも、簡単には真実にたどりつけないほうが面白いです。自分で考えに考えて思いを巡らせるというのが正しい楽しみ方だというものでしょう。そしてこれこそは!という答えを発見したら、「おまえたちの考えていることはゴリっとマルっとエブリシングお見通しだ!」と明後日の方角を指さして叫んでください。




●戻る