甲通賑轟

横Gについて

林[艦政本部開発部長]譲治

 やはりこの質問がきましたか・・・。これは「ロケットはどうして真っ直ぐに飛ぶのか?」が分かっていれば簡単に氷解する問題ですけどね。まず重量のあるミサイルを両脇に抱えるような配置はありえません。宇宙船にとって無視出来ぬ質量の物体を両脇に抱えている配置では片方のミサイルを投射した段階で重心が著しく変わります。この状態で主機を作動させれば宇宙船は回転運動を起こすでしょう(ヨーまたはピッチ)。また両脇にミサイルを抱えながら単純に突き放してしまっても宇宙船は回転します(ロール)。またついでに言えば舷側から前に向かってミサイルを発射すると核機関を使用しているならば前方のセンシングがしばらくの間は著しく困難になりますね。
 通常の日本語では両脇のミサイルを本体から「突き放す」ような場合は「分離」といいませんか。それともH−2ロケットやシャトルの固体燃料ブースターは「分離」ではなく「投射」されているのでしょうか?
 さて、横Gがかかるのは宇宙船の横方向の推線が重心を通る場合だけです。そうでなければ宇宙船は複雑な回転を起こします。それで宇宙船の船体の向きと宇宙船の重心の進行方向は一致する必要はありません(スペースシャトルの運動などを見れば明らかですが)。つまり「宇宙船の横G」は「宇宙船の進行方向からみて横方向のG」を意味しない。警備艦は慣性運動をしている。そして警備艦はすでに探査機を投射しており、従って警備艦が進行方向に船体を横向きのまま進行していて何等問題は無い。ごく単純な物理の問題です。細かい事は先月も書きましたが初速については「火星鉄道一九」を読めば書いてあります。
 それで「敵が前にいるのに横に初速云々」ですが、仮に警備艦の進行方向と重心の進行方向が一致していた場合つまり投射ミサイルが横方向に射出されたとしても、投射ミサイルの初速と警備艦の持つそれぞれの速度ベクトルを考えればこれ以上の説明の必要はありませんね。
 あと、これは物理では無く国語の問題ですが。「(もしも)十分な初速さえ与えることができたら」というのは「現実には警備艦では十分な初速は与えられない」事を意味するはずです。カタパルトで惑星間攻撃が可能なほどの初速は与えられませんから、これをもってカタパルト装備を否定する論拠にはなりません。
 最後に「無誘導」って前も書きましたけど「一切の誘導(装置)がない」つまり慣性誘導やら何やらも含めて「誘導がなされない事」の意味でしょう、普通。慣性誘導(inertial guidance)は誘導ではないんですか?それに私、一度でも「発射母艦から誘導する」なんて書きましたっけ?

 

画報届きました。

林[艦政本部開発部長]譲治

こうしゅうでんわ
 新宿で「平成悪党伝」を見かけたが表紙と作者の谷の字に、”ああ、谷恒○の新刊か”と思ったのは私です。
ある戦いの記憶
 北海道から本州にきてくだんの生物にはじめて遭遇すると、ああこれがあの有名な!、とそれなりの感銘がございます。
夢1
 オウム事件の影響で深夜+1で青山弁護士から”僕だって寂しいんだ”って抱きつかれるという夢を見ましたね(~_~;)
脱帽・白旗・・・
 あれだけの紙面を費やして何を説明してるのでしょうか?それと木村昌福の履歴を書かねばならない必然性って何かあるんですか?
タイタン抜き・・・
 小動物に関してはたぶん我々が想像もしなかった問題が生じるでしょうね。野良犬の類だってどうしたものやら。風土病も起きないとはかぎりませんね。
 



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