今日の大阪例会で「谷甲州作品を“どっかん戦記”に書き直そう」という恐ろしいプロジェクトが持ち上がりました。
「えいせい7」の企画として、仮名「榛名五十鈴計画」と名付けます。
“どっかん戦記”とはどんなものでしょうか。以下のような条件を満たす架空戦記です。
☆派手な擬音が使われる。
【例】
「赤外反応あり。複数の爆散を認めました。」
どかーん、どかーん、どかーん。宇宙に爆散円の華が咲く。その爆発の意味は明白だった。離脱機動に乗る仮装巡洋艦と、それを押さえようとする護衛艦隊が、それぞれ爆雷攻撃の応酬をはじめたのだ。どどーん、どどーん、どどどーん。爆発反応はいくつも続いた。
(『土砂降り戦隊』より)
レーザー砲は「しゅばばっ」、マシンガンなら「だだだっ」、仮装巡洋艦が加速する音は「ごおおおお」、など、できる限り派手な擬音がなくては、どっかん戦記とは言えません。
☆過剰なまでの比喩を使わなくてはならない。
【例】
(フリゲート艦用のエンジン開発が遅れている、という話を聞いて)
「そんなに…。遅れているとはきいていたが、それほどの遅れだとは思わなかった…」
ミッチナー将軍が、まるで馴染みの女を買おうと女郎屋に行ったのに五十過ぎのばばあしか残っていないと言われた時のように落胆した。
(『カリスト−開戦前夜』より)
その比喩も、下品なものが好まれるようです。
☆登場人物は、やたらと威勢のよい言葉を使う、人種差別論者でなくてはならない。
【例】
「なんだと!!レーザー砲撃だって!!」
ジョンソン少尉が目をむいた。
「そんな、そんなばかなことがあるものかぁっ! 最接近距離は一〇,〇〇〇キロ以上あったぜ。それが…それが…五隻とも全部なんて…」
「どうやら、奴らは長距離レーザーシステムの開発に成功したらしいな」
「ばかな…外惑星で太陽の光にあたらないで栄養不足で脳に血の回らない猿どもが、そんなものを開発するなんて」
「猿のくせになまいきな。ようし爆雷でふっとばしてやるぜ。外惑星猿の丸焼けができるぞ」
(『砲戦距離一二,〇〇〇』より)
他に、
☆途中で枚数稼ぎのように、武器のスペックを述べる部分がなくてはならない。
☆章ごとで使用する用語が統一されてはならない。
☆リアリティに注意を払ってはならない。
☆矛盾する記述を恐れてはならない。
☆何人かの作者の共同作業がのぞましい。
などの条件があります。
さて、この企画は実現するか…。
なお、参考図書は霧島那智『帝国海軍大戦略』他でした。
☆私生活で内容証明郵便のやりとりなど、腹の立つことがあったら文章がよりすさまなければならない。
☆他人には理解不能な志を持たねばならない。
☆武器のスペックは記述しても、そのスペックの意味するところは理解しては行けない。
などの条件も追加できると思います。せっかくの榛名五十鈴という女性名なのですから著者近影は(妖艶な衣装の)女性3、4人にすれば味わいもひとしおかと存じます(著者と書いた人が必ずしも=で結ばれないというのは、まぁ、よくある話だ)。
その、どっかん戦記の覇者の戦塵版ってのは、、、
霧島○○とか谷○○(なぜか甲州さんに名前が似てて悲しいぞ)とかが普段から書いてるやつだから、無意味か。:-)
「ばりーん、ばりーん。ぐしゃしゃしゃしゃ」という音を立てながらオホーツク海で駆逐艦が圧壊するんでしょうな。
どっかん戦記にしても、谷甲州は寒い。