甲通賑轟

画報76号、届きました

池田[航空宇宙軍医科学校司書]明子

 9月20日(火)に画報が届きました。編集・発送をしてくださった皆様、ありがとうございます。画報が届くと月末になったなぁと感じます。
 表紙に表彰状が出るとは! インパクトがありました。RYUCON小写真集はきれいに印刷されていますね。今回は、東京支部の頁が充実していて面白かったです。中野隊員と天羽隊員の2大連載も楽しく読みました。
 では、来月も、楽しみにしています。
 ところで、本屋さんに行くと「終りなき索敵」が平積みされていました。奥付を見ると、重版のものでした。

 

ダンテ続報

岩瀬[従軍魔法使い]史明

 サンケイ新聞10月4日付夕刊に、左のような記事が載っていました。
 「ダンテ2号」といってももちろん、別にあのダンテをジェイムスン教授みたいなサイボーグに改造したわけでなく(そうだとしても妙に似合ってると思うのはわたしだけだろうか……)先月号の本欄で林[艦政本部開発部長]隊員が紹介された、遠隔操作による歩行探査ロボットです。今年八月、アラスカの火山火口での歩行探査試験中に転げ落ちて故障、回収不能になったとのこと。NASAでは進歩型ダンテ2号製作を計画中だそうですが、名前を変えないとトラブルが絶えないんじゃないかと思うのはわたしだけでしょうか…………

 

こうしゅうえいせいとどきました

林[艦政本部開発部長]譲治

 こうしゅうえいせい届きました。9月の画報と一緒かと思っていたのですが即日で送っていただきありがとうございます。

 どれも面白い内容でした。ただ、ひとつ気になったのですが岩瀬さんの汎銀河人と地球人の違いについて別の解釈もできるのではないでしょうか。
 利己的な遺伝子という生物は所詮遺伝子(に表現される情報)の乗り物に過ぎないと言う考え方がありますが、どうように人間は文化(に表現される情報)の乗り物に過ぎなかったならばどうか。
 つまり地球人というのは汎銀河人から見た(例えばCB−8の時代なら何が地球人であるか決める事ができるのは汎銀河人の側であろう)地球文化の乗り物であり、同じ定義で汎銀河人とは汎銀河文化の乗り物である人間となる。乗り物である人間が生物レベルで同一の物であってもそれに乗る文化(情報)が異なるなら汎銀河人と地球人の区別は可能では無かろうか。
 それで、エリヌスなどを読んで限りでは航空宇宙軍に代表される地球の文化はアメリカに代表される文化である。であればアメリカ文化にない文化形態を汎銀河人が持っていればそれで両者は区別されるのではなかろうか。
 という訳で途中の考察ははぶきますが見ればわかる地球人≠ニいう台詞がなりたつ条件として考えられる物。『汎銀河人は顔に入れ墨をする風習を持っている』なら生物学的に同じでも両者は外見から区別される。しかも凡銀河文化の方が銀河系では普通ならば、汎銀河人の描写に入れ墨を記す必要はなく同じ理由で“照明の下の顔が黒と白だけ(入れ墨は存在しない)”のは地球人であるとわかる。
 これまた詳細ははぶきますが突き詰めると銀河系における汎銀河人や地球人の存在は超光速シャフトに集められた情報の生物形態としての表現に過ぎないのではなかろうか。つまり利己的な超光速シャフト。

 

汎銀河風俗はあるか?

岩瀬[従軍魔法使い]史明

 さっそくの論評、ありがとうございます。感想にせよ批判にせよ、記事になんらかのリアクションをしてくださることほど書き手にとってうれしいことはありません。皆さん、どうかよろしく御願いします(って、これは編集としてのセリフです)
 内容に対して、ですが、“見ればわかる地球人”が、生物的な属性でなく文化的な属性を指す可能性は、草稿段階では検討していたんですが、決定稿の段階で言及するのを忘れてしまっていました。しまった……当然、言及されるべきことですね。
 あの文章を書いた時点では、文化的な《目で見て判る属性》というか風俗で見分けられる可能性は比較的薄いように思っていました。一つには服装で見分けたのではなさそうであること。もう一つは『索敵』等の描写から、汎銀河人は文化の統合
などはあまりしようとしていないのではないか。今日の地球におけるナショナリズムの立場のように、それぞれの母星の文化的アイデンティティを重んじる立場が、『一色に塗り潰そう』という傾向の高い(力ずくのユニバーサリズムとでもいえばいいか)地球・航空宇宙軍と対立した……というように捉えたのです。従って、共通の風俗などは成り立ちにくいのではないか、と判断したわけです。
 ただ、後から考えてみると、汎銀河人の立場から、地球人が見分けやすいように、何等かのマーキングを文化的ないし遺伝的(特有の痣が発現するように遺伝情報に書込みを行なうとか)に強制している可能性もある……という気もします。
 それとも、イギリス人は英系アメリカ人をたいていアメリカ人と判別できるように、なにか文化的な雰囲気の違いみたいなものがある……のでしょうか。だとすれば具体的な描写がないこともうなずけるのですが。
 最後になりますが、『利己的な超光速シャフト』という考えは大変面白いですね。このアイデアでパスティシュ小説が書けそうな気がします……我々でまた勝手に話をつくっちゃったりして……。



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