人外協の運営:その現状と課題

岩瀬[従軍魔法使い]史明

1.サークル全体としての意志決定について
 いまの人外協には意志決定機関が存在しない。
 創立当初の人外協においては、それは月例会だったといえるだろう。重要な事項はそこで討議すればよかったし、人数が少なかったこともあって、酒の席ででたどさくさが公式な決定のように扱われても、「面白ければよい」ですんだ。
 しかしメンバーが全国的に広がってしまい、大阪の例会に参加できる人数の方が全体に占める割合で少数派になってしまうと、大阪の決定で全国を縛るわけにもいかないだろうということになり、例会も大阪支部と呼称されるようになった。大阪には隊長と甲州画報編集長がいる支部であり、人外協の創設メンバーで人外協のカラーの確立者ともいえるかもしれない陰山隊員が去年まで在住してもいたため、本部であるような扱いをすることがあるが、制度としてはそうではない。
 従ってサークルとしての意志決定は隊長個人の肩にかかってくることになる。
 隊長は重要な事項については大阪支部例会での話し合いを参考にする慣行をもっているが(この場合、形式としては大阪支部例会は隊長の諮問機関ということになるのだろうか)、どんなことを個人で決断し、どんなことを支部例会で図るかという取捨選択は隊長に任されている。もし今回のような出来事の原因の一つにこれらの機構的曖昧さがあるとするならば、速やかに改善の方向を探らなければならない。
 また、隊長が重要な事項について独裁的な決定権をつかわないとした場合、そして議題が全国隊員に関するものである場合、どのようにして全国隊員の意志を問うか、という課題が残る。
 一つの方法として、画報紙面に議案を掲載し、意見を請うことができる。
 この際、葉書投票のようなことをしてもよいが、コストが嵩むし投票率も決して高くないのではないかという予想も(「こうしゅうえいせい」の全員参加企画の投稿者数からして)成り立つ。意見投稿を募集し必要があれば紙上論議をしてもよいがそれでは意志決定まで時間がかかりそうなことが難といえよう。ただ意見投稿の募集や運営の現状についての広報自体いままでほとんどなかったので、それを強化する方向は必要だろう。
 また大阪支部とは別に、意志決定機関をつくるという選択肢もありえる。
 ただこの際、全国の意見を反映させるためには全国から代表を募らねばならず、実際問題としては難が多い。
 とりあえず今すぐできる範囲での改善点を挙げてみる。
☆大阪支部例会での話し合いをもっと充実したものにすること
☆全国レベルでの意志疎通のための工夫をする。とりあえず画報の活用。来号から
 「伝言板」をもうけ、紙面の隊員個々による私的な積極的な利用を奨める。

2.人外協活動の現状
 大阪支部としてではなく「人外協」と銘打ってしている活動は以下の通りである。
 1.月刊連絡紙「甲州画報」の発行
 2.年刊誌「こうしゅうえいせい」の発行
 3.Tシャツなどアイテム類の製作
 4.SFイベントでの企画
 ここでは活動の会計状況について報告してみる。
 「隊費」として徴収されている会費はほぼ全額1.の発行・発送費にあてられている。年刊誌「こうしゅうえいせい」はそれとは別会計で、費用は売上で賄う。黒字分は次年度誌の発行費用に加えられる。「こうしゅうえいせい」については全隊員配布としてその製作費見積を加えて隊費を値上げする、という方向もなりたちうる。基本的に「こうしゅうえいせい」は会内誌なのでそちらの方が正しい方向性かもしれない。3.のアイテム類がことごとく衣類なのは、これらの製作が隊長の親戚のもっている設備でプリントされているからで、完売して損得なし、という会計方針となっている。4.のイベントはイベント参加者のカンパで収支ゼロとなるように費用÷参加推定人数で一口金額を算定し、徴収していた。支出はともかく収入については予測通りとはなり難いが、去年の夏期甲州はほぼトントンとなった。また春季甲州祭はアフターレポートで調整した。今年のように若干でも黒字がでるとかえって処置に困るのである。
 なお、最後のイベント企画についてもう少し。
 今回のSUM−PACK企画ではっきりしたのは、大阪支部の現戦力では企画らしい企画はできそうにない、ということである。それを隊長も筆者も支部員の多くも自覚していなかったことが今回の失敗の原因の一つになっているようである。
 だからどうだというわけではないが、そういう現状であることはこの際全国隊員に対し率直にしらせておきたい。
 また、大阪支部としてでなく「人外協」と称しておきながらほぼ大阪支部だけで企画のありようを決めてしまうのは本来まずいかもしれない。大阪支部のいわば「特権的主導性」が人外協成立の経緯からなしくずしで存在するようなないような現状だが、そういった大阪支部の位置付けについてどうあるべきかということも、是非全国の隊員に考え、意見を述べてほしい。

3.支部活動の[制度]、現状と展望
 人外協の「支部」は、少なくとも形式上は、女性隊員が一人でもいれば成立
 する。「支部長は女性」とかなり早い時期に決ってしまい、それ自体に異義が唱えられたことはない(少なくとも筆者はきかない)からである。
 支部が成立したからといって特に義務が生じるわけではない。第一、もし支部員が一人しかいなければ支部例会すらできない。また支部長がいない(女性隊員がいないか引き受けてくれる女性隊員がいない)からといって支部を宣言してはいけない、わけでもない。支部長代理を称すればすむのである。
 また支部長が実質的な責任を負い、活動しなければならない、わけでもない。
 支部長は象徴的な代表でもよいのである。(ただしその場合は実質的な世話役が不可欠となる)
 基本的に、支部活動をどんなふうにするかは各支部の「勝手」といえる。
 要するに楽しければ良い。ただ時々は(……時々でいいんだろうか?)「谷甲州のファンクラブ」であることも思い出して欲しい。
 現在行なわれている支部活動は、☆支部例会/宴会(定期的にしているところと不定期なところがある) ☆支部紙発行、これはどこも不定期といってよさそう。季刊を[志している]支部がいくつかある。 ☆支部主催行事 最近では野辺山ツアーとか中国四国九州大例会とか大阪支部のアウトドアとか。いいだしっぺがいて乗る面々がいて世話役がいればできてしまう。NIFTYのHP(パソ通ネット上の伝言板)をみていると、突発的な行事が東京支部などで(別に支部主催とかいうんじゃないく)しばしば催されているようである。
 支部紙の発行費は、コピー原本作成は各支部持ち(きっと編集者負担)、コピー代と送料(の増加分)は全体の隊費で賄われている。
 また支部単位で例会のお便りを発送しているところもあるようだが、その費用は各支部が負担している。(例会・宴会で集めた費用の端数残を宛てている  ところもある)
 支部活動の在り方について、特にいまのところ問題点があるようには認識していない。各支部の「勝手に任す」からこそいいのだ、と隊長や筆者は考えているし、それ自体についていままで苦情はでていないように思う。
 ただ、今後のことを考えると、重要な運営事項については、支部単位で話し合うという姿勢がこれから必要かもしれない。議決機関としても支部を捉えるべきなのかどうかというのは、今後の課題である。

4.現時点での[全国的]課題
 1.人外協の運営費は現在赤字であると思われるが、隊費の値上げが近日中に必要であろう。幅や切り替えの決済方法をどうするか。
 「……思われるが……」という曖昧な書き方をしているのは、人外協の会費切り替えを月ごとで勘定しているため、またほぼ唯一の支出である甲州画報が、本紙・支部紙とも月ごとに必要経費がかなり大きく変動するので、事実上の赤字幅が算出しにくいからである。ただ、おおまかな試算からして赤字であることは間違い無い。にもかかわらず残金が常に存在するのは、経費に対して先払いの形で隊費を徴収しているのでいままでのように隊員が急速に増え続けていれば赤字でも金庫が空にはならないからである。
 なお、今年の[表面的な]財務報告及び[実際の]赤字黒字もはっきりわかるような財政報告を、新たに会計を引き受けてくれた(いままでは隊長がやっていた)中村[不明]隊員に準備して貰っている。
 2.組織運営の諸問題
 前述の様に、☆「人外協」としての意志決定 ☆支部活動のこれからの位置付け ☆<大阪支部>の位置付けなどを課題として挙げてみた。
 3.後述の様に、SUMにおいて若干の残金があるが、これをどうすべきか。
 SUM−PACK参加者のカンパが原資なので、隊の本会計に組入れるのは筋に合わないと思われる。とりあえず当分保留する予定。

 これらについて、皆さんはどうお考えだろうか。どうかおきかせください。




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