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戦闘員・プロトタイプV・ヴォルテ−彼は遺伝子工学の粋を集めて作り出された戦闘用バイオニック・サイボーグだった。そんな彼が活躍するこの物語は、白土三平の劇画『カムイ外伝』を青年時代に熟読していた作者が、いつかは自分でもこんな話しが書きたいと思い、そしてできたのだという。 実際に読んでみると、戦いのシーンなどはまさに『カムイ外伝』を彷彿とさせる細かい描写力だ。ともすれば、SFであることさえ忘れてしまいそうになる。 物語自体は、小気味のよいストーリー展開とテンポの良さが、非常に印象的だった。 もっとも僕自身がこの『カムイ外伝』を愛読しているので、すぐにストーリーの中に溶け込むことができ、あっと言う間に読み終ってしまったというのが実態である。 |