月刊甲州画報

今月の訓示

 知識や情報は人類全体の共有財産である。新しい発明や知識は広く世間に公表することによって、世の中全体が利益を得ることができる。しかし新しい技術の開発や発明にはお金がかかるのは当然であり、その経費を回収しさらにそれ以上の儲けを得ることは正当であろう。
 それらの権利を守るために、無体財産権や知的所有権と総称される法律がある。
 知的所有権のうち工業所有権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権)は、成立するために厳密な審査がおこなわれ、さらに情報の公開が必要になる。それにたいして著作権では、無方式主義を採用しているので容易に成立し、ノウハウなどの秘密を守りやすい。
 容易に成立し秘密保持に有利なため、最近、著作権の適用範囲が広げられつつある。著作権法で保護する範囲は“表現”、特許法で保護する範囲は“アイデア”である。その“表現”とみなされる範囲が、従来“アイデア”とされていた領域にまで広がってきているのだ。
 しかもその対象は、従来保護の対象とされていなかった<数学的アルゴリズム>などにまで及ぼうとしている。
ここまで来ると行き過ぎではないだろうか。
 技術者であるなら、自分の作った物をできるだけ多くの人に使ってもらいたいという気持ちがあるはずだ。また社会全般の利益から考えてもマイナスが大きい。
マスコミではあまり大きく取り上げてもらえないが、実はけっこう深刻な状況なのだ。

青年人外協力隊隊長 阪本雅哉

CB-8越冬隊




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