CONTACT XII Report (1995年)

 1995年3月10日から12日の3日間,アメリカ・カリフォルニア州サンノゼにて開催されたFCS(ファーストコンタクトシミュレーション)のイベント,CONATCT 12に参加してきました.
 FCSとは,未来の地球人と異星人との初めての出会いをシミュレートするものです.アメリカでは10数年の歴史があり,毎年1回大会が開催されています.日本には大迫公成さんが紹介されました.SF大会などで数回企画されており,昨年10月には日本初の大会「CONTACT Japan 1」が開催されました.
 私は昨年のCONTACT 11 に大迫さんと共に参加したことがあるのですが,今回は 「CONTACT Japan 1」の成果を報告するためにひとりで(日本からの参加者は私ひとり)参加したのでした.というわけで,CONATCT 12がいったいどんなものであったのか,をご紹介します.
 関西新空港を出発し,サンフランシスコに到着してみると……カリフォルニアは嵐でした.『今世紀最大の春の嵐』とのことで,サンノゼへの飛行機が遅れるはホテルで雨漏りはするわという始末.『どこが[サニー・カリフォルニア]やねん!?』という状況でした.
 CONATCT 12の会場は北サンノゼのホテル ホリディ・イン.参加者は約90名とのこと.3日間の企画内容として,専門の科学者や作家や芸術家が学会形式で発表するシンポジウムや,COTI,COTI Mundi,SolSysなどの実際にシミュレーションを行う企画がありました.これらは並列して行われるため,すべてに参加することはできません.私は主にシンポジウム発表を聞いたり,シミュレーション企画中の部屋にいっては設定内容の写真をとったり,とふらふらしていました.なにせ時差ボケと英語力不足で眠いのですよ.
 SF作家のゲストとして,ラリイ・ニーブン氏が参加していました.パーティ会場でスピーチし,自作の異星人設定などについて話した他,シンポジウムやシミュレーション企画の内容発表に積極的に参加されていました.残念ながら,昨年お会いしたポール・アンダーソン夫妻は今回は不参加でした.
 私の発表,なのですが.“Report CONATCT Japan 1”ということで30分程時間をいただきました.数枚のOHPで概要を紹介した後,約20分間に編集したビデオを見せながらコメントしていったのですが,なかなか好評だったようです.好評だったのは私の発表のせいでなく CONTACT Japan 1 での企画・設定の内容のおかげだと思いますが,やはり『よかったぞ』といってもらえるとうれしいものです.ちなみにビデオの内容で最もうけていたのは,異星人のコスプレをした参加者が入場してくるシーンでした.
 で.全体として一番しんどかったのはやはり英語でした.海外旅行や国際会議での発表の経験はあるものの,まわりに誰も日本人がいないというのは初体験.『いや~.英語をわかってるフリをし続けるのは疲れる』というのが実感でした.こういう時にはいつも,『英語をちゃんと勉強しよう』と思うのですけどねぇ.
 というところで.発表も無事終わり,海外からの参加者ということで(他にイギリスから3人が参加)カリフォルニア土産(ワインとかナッツとか)をいただき,写真をとりまくっている間に大会は無事終了.COTI Mundi のリーダである,グレッグ・バー氏(日本アニメのファン)やマーティン・フォッグ氏(テラフォーミング研究家)らと自動車でサンフランシスコまででて食事をごちそうになったりした(このときに初めてゴールデンゲートブリッジを渡った)他は観光も無く大会参加だけの渡米でありました.

(中村孝)