<Aチーム>
コンタクトのレポート
とても楽しかったです。
私は今回、初参加でしたので、数日前からずっとわくわくどきどきしていました。
事前情報としては、“惑星環境を設定して、そこで生命が発生、進化し、他の恒星系に至るまでの文明を築き、最終的には他の知的生命体とコンタクトする”。そんな、概略しか聞いていなかったので……。
前日。夜、布団にはいった後。考えれば考える程、眠れなくなっちゃいました。
だって、落ち着いて考えてみれば、“生命”ってどうやりゃ発生するんだ? いや、地球で生命が発生したから、私は今ここにいる訳なんだけれど、そもそもあれ、どうやったら発生するもんなの。その前に、生命の定義って何だ。これを突きつめて考えていたら、眠気がどんどん遠くの方へいってしまって……。(ま、普段、明け方まで仕事して、昼前に起きる生活をしていますから、翌日に備えて早寝したって、眠気さんがすぐにきてくれるって期待すること自体が無理なんですけれど。)
そんな訳で、当日。惑星の環境や生物の条件を、いくつかの候補の中から多数決やその他のやり方で選ぶっていう方法論に、安堵したり、いささか肩すかしの気分を味わったり。(まあ、こうでもしなければ、それこそ私が前日布団の中で悩んでいたように、生物が発生する前にタイムアウトになってしまう可能性が高そうなんで……この方法論は正しいと思いますけど。)
私が属していたAチームは、『湿地型惑星』、『外骨格で脱皮する』、『多産』なんていう条件を選び、これだけでも「むう……」って思っていた私なのですが、(沼地で“外骨格で脱皮する”知的生命体。しかも“多産”。これがどんな文明を築けるのか、生命体としてのデザインが無茶苦茶むずかしいではないの)、次の条件が決まった時、叫びだしたくなりました。
だって、その条件って…………『周りの生物と無関係』。
ま……ま……『周りの生物と無関係』? つまり、私達Aチーム生物は、この惑星において、他の生物と遺伝的な類縁関係がないってことになっちゃったんですよね。(設定によれば、それでも、私達Aチーム生物は、この惑星の他の生物を食べることができ、食べられる可能性もあります。ごくわずかながら、私達と同じような生き物もいるらしいです。ま、そのかわり、病気にはなりにくいっていう特徴を持っております。)
私、多数決の時、『湿地型惑星』に手を挙げました。そのあとも、『多産』に手をあげております。これ、ひとえに、ひとえに、“とにかくできるだけ生物が発生しやすく、繁殖しやすく、生き残るのによいであろう”ってことを加味して選んだ条件だっていうのに……あのお、私達Aチームの生き物は、『周りの生物と無関係』ですか。ひいいいい。
ですが。この辺から、ほんとに楽しくなっちゃったんです私。
『周りの生物と無関係』って言われた時、私が思い付いたのは、二つの可能性だけでした。
一 過去、どこかの星からこの星へ宇宙船が到来、その宇宙船の生物が、なんかあって、退化しちゃって、今、Aチームの私達の祖先になっている。
二 過去、どこかの星からこの星へ宇宙船が到来、その宇宙船の生物が、私達の祖先にあたる生き物を放出(ないしは、船から積んでいなかった筈のゴキブリが逃げちゃったって感じで、祖先にあたる生き物が脱出)、そして、今、それがAチームの私達になっている。
ところが。三、という話も、でてきちゃったんですよね。
三 この惑星では、かなり近しい日時で、二回、生命が発生した。そのひとつが、Aチームの私達の祖先であり、もうひとつ発生した生き物が、唯今この惑星の主流を占めている。
うおおおお。この、三は、私、思いつきもしませんでした。(ま、かなり無理があるっていうか、無理だろうっていう意見ではあるんですけどね。なんたって、ほぼ同時に二回発生っていう無理を押し通したとしても、現在、数的に優勢種であるのが“私達”以外の生き物で、にも拘わらず、文明を持ったのが数的に劣性種である“私達”だっていうのが、かなり辛いよね。)
けど。
これは、想定すらしていなかった可能性なので、あ、こんなこと言われると、すっごい楽しい。
それから。そういう細部はあとにして、その後も、さくさくと設定は進んでいって。
仮想生物である“私達”には、浮き袋ができ、私達は放射対称の形をしていて、手が六本、目が六つ、これが浮き袋の上にある……蓮華座の上に、阿修羅が乗っているっていう雰囲気に……これ、なっちゃいません?(ま、これは、一番最初にホワイトボードに適当に描かれた絵のせいも、あるのかも知れません。いやあ、絵って、かなり破壊力っていうか説得力ありますねー。そういうのを実感できたのも、とても楽しかったです。ま、最終的に私達パンプキンジェイムスンズ――という名前になった――は、もうちょっとかっこいい絵になってくれましたが。)
コミュニケーションとしては、発光と音声が採択されました。(一部意見で、「私達は、過去にこの惑星にきた知的生物がこの惑星に投下した、探査用のソナー生物がその出自である」っていう可能性が、ずっと言われていたんですね。うん、今までの設定条件を踏まえると、確かにそれは、“あり”だ。なら、ソナーであるのなら、コミュニケーションはかなり充実していてもいいかも知れない。もっといろんな可能性考えられるかも。)
そんでもって、ここまできた後で。私達の食性は……泥の中の有機物を食べるってことになりまして……なりましてって、えっと、あの、ミミズですかそれはっ!
どうするんだ、泥の中の有機物を漉して食べてるんなら(しかも病気にはあんまりならないんだよ)、なんか、文明、築かなくてもいいかも知れない。こういう私達が、他星系に至るまでの文明を築き上げる為には……いやその前に、文明を築くどんな必要性が……。
なんてやっているうちに、(ま、一応、文明を築く必然性と、うちの恒星系から脱出しなきゃいけない必然性までは作れたんですけどね。なんたって、私達が住む泥の惑星の太陽は、赤色巨星だ! しかもすでにあんまり安定していない。早いとこどっかに移住しないと、母恒星の寿命が尽きたら、私達も滅亡だ)、タイムオーバー。
今回、私的に一番ウケたのは、こんな考え方でした。
「私達は惑星環境整備の為に投入された生物で、この惑星には、わずかな海とわずかな陸地と、大部分の沼地がある。すべての陸地を沼にし尽くし、すべての海を沼にし尽くす、ええい、すべて、沼になってしまえー」
わはははは、ありだよー、ありかも、これ。“灌漑”とか、“造成”とか、地球で使っている言葉の概念からまっこう対立してますけど、ありでしょ、これ。(でも、そんな私達をこの地に寄越した、主生物がどんなものかって考えると……そのひと達とは、あんまりお友達にはなりたくないですけれど。)
いやあ、楽しかったです。
多分一週間くらいかかっちゃう合宿になるような気もしますが……いつか、コンタクトまで、できるといいなあって思っております 。<Bチーム>
楽しかったですコンタクトジャパン
久々のコンタクトジャパンに参加して、何年か前のキムタク主演の実写版映画『宇宙戦艦ヤマト』を思い出しました事よ。
当時見た感想が『このヤマト、絶対に石炭と計算尺で動いてる…』でした。
実写版ヤマトはローテクアナログのカタマリよきっと。
どんなにイスカンダルの叡知を入手しようが、地下に追いやられた人類に、昭和の半ばに海に沈んだヤマトにデジタル機能を搭載する力はないはず(←大いなる偏見の上にこれだとサーシャが気の毒だわ)。
どさくさ紛れにヤマトを発進したあとは、真田さんが紙と鉛筆と計算尺を華麗に駆使してイスカンダルへの航路を手計算するのよきっと。
どうせイスカンダルなんて、指差して真っ直ぐに進めばいつかは到着するだろうし(…この方法で果たして人類滅亡までの一年間で行って帰ってこれるのかな…)。
スイングバイ?
このコーダイな宇宙ではそんなもん誤差のうちよ誤差のうち。
ワープ航法?
そんなもんCONTACT Japanには関係ないって。
コスモクリーナー…あれはイスカンダルの訳の分からんシロモノだから、デジタル機器だろうが魔法の杖だろたうがノープロブレム。
かくして地球は石炭と計算尺と魔法の杖で救われましたとさ。
…閑話休題、本題に戻ります。
当方、初期のコンタクトジャパンに何度か参加してましたが、今回のコンタクトは1日日帰りコースという事で、良い感じに力が抜けてましたねー。
で、テーマは異星人の創造。
異星人の母星環境から生命誕生、進化に文化文明の創造、こういうシミュレートは相変わらずワクワクしますな。
自分ひとりでは思いも付かないアイデアが次から次へと出てくるし、それを惜しげもなくバッサバサと切り捨てるあの爽快感。
普段使わない脳ミソの部位が活性化しますな。
でもって久々のCONTACT Japanで、生命誕生とはアナログな事なんだなぁと再認識した次第です。
ここでやっと冒頭のヤマト話につながる訳です。アナログですよアナログ。
デジタルな生命体がどんなものか、頭の固いオールドSFファンには思いも付きません。
よかったら誰か、次のCONTACT Japanでデジタル生命体を創造して下さい(もうあるの?)。
デジタル生命体との対決とかちょっとワクワクします。(つーか対決言ってはいけませんあくまでコンタクトです暴力反対)。
なんせ当方、パソコンもスマホもタブレットもなし、ガラケー1個で生活してるので、デジタル化が席巻する今日この頃、時代に取り残される感てんこ盛りです。
なので、いざ異星人とのコンタクトとなったらアナログ代表で黒板とチョークでコンタクトするから私。
でも例えば、地球に異星人がやって来て、ファーストコンタクトする相手がいきなり黒い板と白い小さな棒を振り回したら、どう思うだろう?
相手は何か言いながら(異星人が人の声を認識できるかなぁ…)、すごいスピードで白い棒をボキボキ折りながら音を立てて黒い板に何か書いては消し書いては消ししてるの(異星人て視力があるのかなぁ…)。
果たしてこの行為をコンタクトだと認識してもらえるか?
そもそも異星人は、どういう方法でコンタクトを図ってくるのか?
こうやって問題は今回のテーマ、異星人の創造に繋がってくるわけですな。
どういう環境でどういう進化をしたら、どういう方で意志疎通を図る異星人になるのか?
それを考えるのもこれもCONTACT Japanの醍醐味ですな。
ただ黒板とチョークのコンタクトだと、もしかしたら異星人どころか、最近の小学生とも意志疎通が出来ないかも…と思い至って、いささかため息な訳です。
今どきの小学生は産まれた時からデジタル機器に囲まれてる訳で、アナログアナクロ生活の私とは話が通じないかも…。
こうなるとCONTACT Japanでのコンタクト方法は、異星人のみならず地球人同士の交流にも役立つのでは?
そう考えると、何度参加しても奥が深いなあコンタクトジャパン…。