第35回日本SF大会 コクラノミコン

コクラノミコン FCS企画 After Report


 SF大会でのFCS企画は、最初はフルセットのFCSをやっていましたが、時間の問題もあって最近はCONTACT Japan 2などの1分科会にあたるものを開催する、という形になっていました。
 今回は異星人構築に焦点をしぼり、コンタクトに関しては「もしこいつ(つまり、企画で構築した異星人)がここにやってきたら、どうやってコンタクトをとろう?」ということを考えましょう、というだけにしました。


 

 

 今回は、異星人がどうやってやってきたかとか、その辺りも全く考えないことにして、とにかく異星人の外形、習性などだけを考えたわけです。今回はもう一つの趣向として、漫画家のめるへんめーかーさんに特に御願いして、異星人の設定画を書いていただきました。あーでもないこうでもないと異星人の形を考えている時、めるへんめーかーさんにそれを次々に絵にしていただいたわけです。

いろいろな異星人?


 まず異星人の住む惑星の設定から、なんと、「水だけでできた惑星」なんてものに決まってしまいました。そして異星人の形は「テトラポッド型」--せっかくファンタジーを得意とする漫画家に絵を書いてもらえるというのに、なんでまたこういう無愛想な形になってしまったんでしょう…。このテトラポッド型異星人(愛称“テトラ君とポッドちゃん”)は、4本の突起の先に触手を持ち、その触手の先から発する電流で互いにコミュニケーションをとります。なぜかSFファンは群体生物が好きなようで、このテトラポッド型異星人も、集合して、触手の“回線”を通じてコミュニケーションを取り合うことで群体として機能します。幼生時代のテトラ君とポッドちゃんは1匹で水中(彼らの惑星は水しかない)を泳ぎまわりますが、ある程度大きくなると、60匹が一個の群体を形成します。当然、形はC60型というかサッカーボール型になります。さらに年をとるともっと多数が固まった群体となり、浮遊大陸のような巨大な身体を形成します。内側の方はやがて死んでいき、『九百人のお祖母さん』状態になります。

テトラ君

   こういう不可思議な生き物がなぜかできあがり、「もしこれが目の前にやってきたら?」という話になりました。彼らは水中生物なので、どんな宇宙服(中に水が満たされている?)を着るんだろう。というふうな話もありましたが、コミュニケーションの問題としてまず挙げられたことは「握手ができない!」。握手すると向こうは触手から電流流すのがコミュニケーションですから、“話そう”とした結果、握手した人間が感電死してしまいます。「もしこんなテトラポッドの化け物みたいなのがやってきて、握手しようとして手を出したら感電しちゃった、なんてことがおこったとしたら…絶対“これは侵略だ”と思いますよねぇ」という意見が出ました。この程度コミュニケーションの方法が違うだけで、会話が成立しないばかりか下手すると死者まで出してしまうということがわかり、「やはりファーストコンタクトは慎重の上にも慎重を重ねなくては」という結論(!?)が出ました。  ファーストコンタクトのシミュレーションをしていたというよりは、何か馬鹿話をしていた、という感じもしますが、なかなか楽しい企画でありました。なお、ゲストのめるへんめーかーさんから、テトラ君とポッドちゃんに関して「どー描いてもかわいくならんっ!」というコメントをいただきました。でもまぁ、よく見るとけっこうかわいいんじゃないかと思うんですが、どないですか、みなさん?