Proceeding of CONTACT Japan 2

分科会の内容について

宇宙開発への市民の支持
 宇宙開発や宇宙旅行には莫大なコストがかかります。必要なエネルギー量を考えると、かなりの未来になってもこの状況は変わりそうにありません。現代においても宇宙開発などの予算は他を圧迫し、真っ先に削減の対象となってしまいます。
 そこで、どのようにして宇宙開発の予算を得るのか、どうすれば市民の支持を得られるのかを討議します。
 進行役には、実際に観光宇宙船「観光丸」などの研究をされているパトリック・コリンズ氏を迎え、現在の状況を踏まえながら宇宙開発の意義やメリットを考えます。

世代宇宙船の設定
 反物質なんて無理。無尽蔵のエネルギーも無理。と、現実的に(ペシミスティックに?)考えたとすれば。そして、それでも人類が宇宙を目指すとすれば。
 我々は世代宇宙船を作るしかないでしょう。数百年もしくは数千年かけて恒星系を目指すのです。船内で生まれた我々の子孫たちがいつか隣の恒星にたどり着くように。
 これは「人間が半永久的に住む環境」を宇宙に送り出すことを意味します。はたして、このような宇宙船は可能かどうか、実際に作るつもりでシミュレートしていきましょう。

N本足の生物の道具
 知性を持つ生物が使う道具を考えます。 ここではN本の足を持つ生物がどのような椅子を使うのか、どんな道具を必要とするのかについて、日本屈指の本格SF作家、谷甲州氏と共に検討します。

現用技術で無人恒星探査船を
 この企画では、タイトルの通り、現在(1996年)手に入る技術だけを使って恒星間宇宙船を作ることを考えてみます。もちろん、有人宇宙船は不可能です。また、 「宇宙船を作った人間が宇宙船の到着時まで生きている」ことも不可能でしょう。過去のFCSの地球人側設定では「作った人間が生きているうちに結果が欲しい」という、 "わがまま"から、非常識なまでに速い宇宙船を作ってしまうことが見受けられました。
 しかし、現状をシビアに考えれば、 「1000年後にちっぽけな探査船がα-ケンタウリに着き、映像を送ってくる」という設定でさえ、野心的と言えるかもしれません。
 この企画では、最初に,日本唯一の宇宙開発評論家である江藤巌さんに、現用技術において恒星間宇宙船を作ることに対する展望を語っていただきます。その展望を踏まえて、参加者による議論で実際に一個の無人探査船の設定を作っていきます。
 この企画では、現用技術を一歩も踏み出さないように設定しますので、派手な面白さはないかもしれませんが、現用科学技術を駆使しての宇宙船の設定は,困難であるがゆえにかえってエキサイティングなものになるでしょう。

意志疎通の障害の対策
 コミュニケーションというものは大変難しいものです。同じ種の、同じ人種の夫婦の間ですら意思の疎通が困難なのですから。
 これが異星の生命ともなると、メンタリティの違い,コミュニケーション手段の違いたるや絶望的であると考えても良いように思えます。それを乗り越えて異文化との交流を果たすためには、どうすれば良いのか、どんな体勢で,どのような準備で臨めば良いのかを考えます。
 まず最初に実際に交流不可能に見える異星人を設定し、コミュニケーションを図るシミュレーションを行ってみましょう。

恒星間宇宙船内恋愛
 恒星間宇宙船内恋愛と言うタイトルから山口智子と中井貴一のドラマみたい展開を期待する方もいらっしゃるかもしれませんが,もちろんそんな事は(たぶん)ありません。強いて言うならば佐野史郎と野際陽子のドラマに近い。
 この企画の味噌は恒星間宇宙船という状況設定にあります。トレンディドラマみたいに運命的な出会いなどありません。あるのは運命共同体だけなのです。恋に敗れ傷ついた彼・彼女はあずさ2号で旅立つ,なんてことはここでは出来ません。
 嫌でも毎日顔を合わせなければならない。小さな人間関係の綻びが、小社会の崩壊を招くかも知れません。恒星間宇宙船と言う孤立し必然的に独立している小社会で恋愛を可能にするためにはどうすれば良いか?それはつまり孤立した小社会を如何にして維持するか?という命題でもあります。 愛し合う者達の幸せの道筋を皆で示して上げましょう。

遺跡から文明を考える
 コンタクトは本当にあるのでしょうか? 異星の文明と出会う確率は、果たして楽観的に考えられる数字なのでしょうか?
 現実的なコンタクトとは,異星に到着した人類の前に残された異文明の遺跡だけかもしれません。  しかし遺跡というものは多くの事を語ってくれます。もし我々が出会うものが文明の残滓だったとしても落胆する事はありません。そこから得るものは非常に多いことでしょう。(調べきれないほどかもしれません)
 この分科会では、遺跡との遭遇から「彼ら」の姿や文明を探っていきます。

反物質宇宙船の設定
 恒星間宇宙船を作るというのは難事業ですが、 その難しさの中でも大きいのは「エネルギー源を何にするか?」ということです。これまでFCSで作ろうとした宇宙船でも、この点が非常に大きな問題となりました。
 1万トンの宇宙船を光速の1%まで加速するとすると、それに必要なエネルギーはざっと計算しても,4.5×1019ジュールほどにもなります。しかもこれはロスなし、とした場合の数字です。
 この莫大なエネルギーをいったい何から得ればいいのでしょう? そこでここでは、「エネルギー源は反物質だ」ということにしてしまいます。つまり、どこからか反物質が沸いてでて、いくらでも自由に使える、ということにするのです。
 さて、このようにしてエネルギーの制約を外した場合、恒星間宇宙船を作るのは容易になるでしょうか…。
 我々に反物質が与えられたとして、如何にして 恒星間宇宙船というシステムを作り上げていくか を考えていきたいと思います。

イルトコラン詳細史
 CONTACT Japan 1にて創造されたイルトコランですが、未だに多くの疑問が残されています。生物学的なもの、社会、文化,歴史など表面は出来あがっていても奥深い設定は時間の都合で放置されている所がほとんどです。
 今回の企画は その中の歴史に注目してより深い設定を煮詰めて行く事を目的とします。文明の発祥から出来るだけコンタクト時代へ近づ く様に設定を進めて行きたいと思います。

長楕円軌道の惑星生物
 無限に広がる大字宙・ ・ ・には、地球のような温暖な惑星ではなく、もっと苛酷な環境で発生した生命もある事でしょう。
 そこで惑星の軌道が長楕円になっている環境を設定し、そこに住む生物を考えます。
 極端に変化しながら巡っていく季節の中でどんな生活をするのか、どんなライフサイクルを持っているのか、はたまた一体どうやって進化を遂げたのか、などなど興味の尽きないテーマではないでしょうか。

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