CONTACT Japan 1(以下CJ1)は、 1994年10月8〜10日の3日間をかけて行われました。とにかく「時間をかけてファーストコンタクトシミュレーション(以下FCS)を!!」という熱い願いが開催の動機だったように思います。
思えば、現CJ代表である大迫さんからFCSなるものを紹介され、SF大会で何度かやってみたものの、スタッフにも参加者にも、常に不満がつきまといました。SF大会の企画時間は普通2〜3時間。長時間企画でも5時間程度まででしたから、「時間がないよ!」という不満から逃れられることはなかったのです。
それなら、3日かけてFCSをとことんやってやろうじゃないか。そういう単純な動機からCJ1の開催準備が始まりました。ですから、CJ1は、とにかく長い時間をかけて異世界の設定をすること、これに全力を投入して行われました。
スタッフの皆さんのたいへんな苦労の成果もあって、コンベンション自体はとりあえず成功となりました。しかし、3日間まさに“じっくりと”、参加者が頭を突き合わせて設定を練りつづけるという、今から思い出して考えてみても恐ろしく疲れるコンベンションになりました。宇宙船を設計する計算、異星人の生態を設定する作業、どれをとってもまじめに根をつめてやればやるほどにその難しさを思い知らされる作業でしたし、スタッフにしても初めての経験でしたから、“とりあえずの成功”ではあるものの、やはりいろんな齟齬や問題点も噴出しました。
もちろん、疲れたとはいえ、それはそれは楽しい3日間でした。「3日かけてとことん」という目標は達成できました。日常からかけ離れた異世界のことを、それも真面目に考え続けたあの3日間は、参加者のほとんどにとっては、忘れることのできない、人生で最初の経験だったでしょう。
しかし、最初の動機(「時間が足りない!」)を思い起こしてみると、結果として、「3日かけてもやっぱり時間は足りない」ということがわかりました。
異世界(異星人の世界、または地球の未来)を構築するということ、そしてその世界同志の出会いをシミュレートすること。これはやっぱり、並み大抵のことではないのです。まがりなりにも3日という時間をかけてそれをやり遂げることができたことは、CJ1が成功であったという由縁です。そして、これらの反省を越えて、CJ2が、そして今回のCJ3が企画されていきました。
今度のCJ3では設定の部分を少し前もって用意してもらうことにより、コンタクト中心ということになりますが、それでもやはりたいへんな作業が必要でしょう。終った時には、CJ1の時に感じた心地よい疲れと達成感を得たいものです。
|
CJ1実行委員長前野[いろもの物理学者]昌弘 |
|