[CONTACT XI:COTI
Mundi見聞記]
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ホテルのスイートルームの一室。7〜8人が椅子に座って熱心に討議している。壁には数多くの異様な生物のイラスト。OHPの映像をもとに熱心に自説を主張する人。プラスチック粘土で黙々と異星生物のモデルをつくる人。活発でかつ創造的な議論。アメリカでのFCSの大会「CONTACT
XI」のCOTI Mundi(コティムンデイ)の企画は、このように行われていました。
第11回をむかえたCONTACT XIに参加してきたわけですが、その中でCONTACT
Japan 1の内容に最も 関係の深い企画、COTI Mundiについて紹介します。 |
1.COTI Mundiとは
COTI Mundiは、異世界創造の企画です。ある恒星の惑星を想定し、生命の発生と生態系、文化や技術までを数年がかりで決めていきます。主にネットワーク上での討議により構築が進み、CONTACT大会で集まっては討議のつめと内容紹介を行っているようです。リーダー役はイギリスのマーティン・フオッグ氏とCONTACT大会事務局のグレッグ・バー氏です。設定資料がニュースレターという形で配布されています。 |
2.惑星の設定
前回のCONTACT大会までに、惑星の設定が行われました。選ばれている惑星は82エリダニ恒星系(地球から20.9光年)の第三惑星。惑星の諸元が恒星からの距離、軌道、一年の長さ、一日の長さ、地軸の傾き、直径、質量、重力、脱出速度、大気庄、大気組成、表面温度など詳細に決定されており、地球に近い性質の惑星のようです。 |
3.生命の設定
今回のCONTACT大会では、主に惑星上の生物の設定とその紹介が行われました。生命タイプ、生化学的・解剖学的設定、進化段階、生態系など、これまた詳細な設定が既にできあがっていました。大会中に何度か設定の説明があり、その時にでた質問に対し討議の結果決定したことを紹介する、ということを繰り返していました。 |
4.やはり本場はすごい
感心したことのひとつは設定の詳細さです。これだけ細かくデータをそろえて設定できているとは。詳細に決めるべきところが決まっているから、抜けているところや途中で出た質問に対しても翌日には設定をさらにつめて報告できるのでしょう。実際に紹介された空飛ぶ生物に対し「繁殖と子育てはどうなっているのか?」という質問がでて、次の日には細かな点まで決定されてた、ということがありました。
もうひとつ感心したのは視覚化のパワーです。生物の精緻なイラストや粘土モデル、進化系統図や解剖図などなど、視覚化することにより設定が明らかになりさらに討議が進んでいきます。さらに、討議の態度も見習うべきものがあると思いました。どんなに熱心に議論していても、人の意見はきちんと聞く態度。単に自分の意見を主張するだけでなく、みんなで音見を出し合ってひとつのものを作り上げていこうという態度。当たり前といえば当たり前のことなのですが。 |
5.さて、CONTACT Japan 1
COTI Mundiは数年がかりで異世界設定を行う企画です。2泊3日で地球人側・異星人側設定を終えてコンタクトまでもっていこうというCONTACT
Japan 1とは少々餅手が違うかも知れませんが、見習うべきところは見習いたいものです。CONTACT
Japan 1の2泊3日でどんな異世界ができあがるのか、楽しみであります。 |
Proceedings
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