CONTACTとは、

 一言でいうならば、異文明間のファースト・コンタクト(最初の接触)をシミュレートしようという試みです。たとえば、われわれ地球人類と異星人文明が初めて出会う場面を考えるといった事を行なうわけです。
 もっとも、異星人文明の存在は確認されていませんから、我々自身が異星人文明を構築する必要があります。
 しかし、それには膨大な量の基本設定と物理的・文化的な世界の構築が必要で、実に様々な分野をカバーしなければなりません。恒星系を一つきちんと作り上げ、その惑星に発生しうる生命と進化史を紡ぎ、どのような文明を築き上げたのか、どのような文化を持つのか、といった事をひとつひとつ決めていかなければならないのです。
 また人類と接触する場合ならば、その時代の地球はどうなっているのかを考えなければなりません。一体どれだけの人がこれらの作業を一人でできるでしょうか。おそらく誰にとっても困難な作業でしょう。そこで、それぞれが得意な、または興味のある分野を受け持って世界の構築をしようという団体がうまれました。
 それがCONTACTなのです。
 CONTACTは最初アメリカで産声をあげました。現在までに著名な科学者やSF作家の参加と支援を受けて活発な活動を展開し、大きな成果をあげています。

CONTACT Japan とは、

 1990年に世界SF大会(ワールドコン)で CONTACTに出会った大迫公成氏は、この知的興奮に満ちたイベントに感銘を受けて日本に持ち帰り、有志を募って活動を開始しました。
 日本では当初SF大会や Nifty-Serve のSFフォーラムをメインに、FCS(First Contact Simulation)という名称で活動をしていました。そして、1994年のCONTACTのためのコンベンション「CONTACT Japan 1」の成功後、1994年11月に正式にCONTACT Japanという組織を発足しました。
 CONTACT Japanは、CONTACT(アメリカの団体の正式名称)との契約のもとに大迫公成氏を代表とした非営利的な学術団体として、これからさらなる活動を展開して日本国内での活動普及やアメリカそして他の国との情報交換など、様々にその活動半径を広げて行きたいと考えています。

 

なぜ CONTACT をするのか、

 現在、この惑星上には百を超える国境で仕切られた国が存在しますが、それとは別に様々な文化を有する人間があらゆる地域に暮らしています。通信手段の発達した今日、我々人類が交信し理解しあうことは、昔に比べれば格段の進歩を遂げ、科学技術によって大きく改革されつつありますが、未だに民族、宗教、領土、主義などによる争いが絶えないのも事実です。精神文化面では、殆ど古代から進歩がみられないという意見もある程です。
 あなた自身とは異なる文化を理解し許容できうる精神こそ、これからの地球文明を存続させていくのではないでしょうか。
 あなたはわけもなく「あの国は…」とか「あのひとたちは…」などと言っていませんか。
 私たちが実施しようとしているのは、純粋に科学として「異文化間に橋をかける」ための行動をシミュレートしてみようという企画で「CONTACT」もしくは「ファースト・コンタクト・シミュレーション(FCS、First Contact Simulation)」と呼ばれるものです。

Proceedings of CONTACT Japan 1 Vol.1 より

 

 CONTACTはコミュニケーションのトレーニングであり、リハーサルであり、ゲームである。本来の趣旨からすれば、FCSは地球人類と異星人文明との間の、コミュニケーションの予行演習である。ただし異星人文明の存在は確認されていないから、我々自身が異星人文明を設定する必要がある。
 ところで、CONTACTにはもう一つのコミュニケーションの要素がある。ほかならぬ、参加者同志のコミュニケーションである。
 討論には自ずとルールがある。全てを自分で仕切ろうとするもの、何でも一度は反対してみないと気が済まないもの、ウケを狙って突飛な発言を繰り返すもの、自分の提案に固執するもの、そんな連中は困ったものだが、引っ込み思案か奥ゆかしいのか、いるだけで何も発言しようとしない人もまた、コミュニケーションには貢献していない。だいいちそれでは、CONTACTに参加する意義も楽しみもない。
地球人同志のコミュニケーションがうまく行かなければ、異星人文明とのコミュニケーションに成功するはずはない。そういった意味でもCONTACTは、コミュニケーションのトレーニングであり、リハーサルになりうる。

 Proceedings of CONTACT Japan 1 Vol.2 より

 

  • 来るべきCONTACTの始まる未来の準備として、思考実験を繰り返してノウハウを蓄積する。
  • コミュニケーションのトレーニングになる。
  • World Build により科学的な知識や思考方法が身につく。また、社会や文化の違いなどを考察するのにも適している。
  • ファースト・コンタクト・シミュレーションやWorld Build(異星人文明構築)で物理学や生物学への関心を持たせることができる。
  • 異星人文明だけでなく、地球上の異文化に対する理解も深まる。

 

などなど、理由なんていくらでも挙げられますが、本当の理由は単に楽しいからに過ぎないのかもしれません。